第130話 最期の手紙

苦痛に顔を歪めたまま見開かれたYさんの目は携帯の家族写真を睨んでいる


・・・いや、既にその目に光は消え黄色く濁り始めているが


開かれた便箋の筆文字は今しがた認(したた)められたかのように黒く艶々としている


あさがさいつころろうよりあしたあへずかし

あなたはひとりたびにいでもこそ

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