第126話 あんなこと

街があんなことになり、命からがら逃げ出してきて2ヶ月が経った


身を寄せた実家の両親は、ゆっくりしていれば良いと言ってくれるが


旦那の消息も分からず娘を抱える身としては、いつまでも甘えるわけにもいかない


なんとか最寄りのスーパーのレジ担当で採用され、明日から働くことになった


これから私の人生、どう転んでいくのだろう



・・・という夢を新社会人の奈美さん(21)は、最低でも月に2回は見るという


未婚だし子もいない


夢に出てくる両親は見知らぬ夫婦、実家も住んだことのない一軒家


"あんなこと"になったらしい街にも、住んだことはない


「電波が混線して他人の夢を見てるのでしょうか・・・妙にリアルなんです毎回。内容も同じで」



「だから私、『住んだことのない実家と知らない両親って、「旦那側」だからじゃない?』って言ったんだけど。本当に未来の暗示だったら怖いよねー笑」


ラウンジの女の子が聞かせてくれた、後輩女子の夢の話。


"あんなこと" が起きないように祈ろう。

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