第90話 最後の晩餐

居酒屋で金城くん(29・ウチの唯一の頭脳派)と飲んでいる


隣のテーブルの女性2名


A「最後の晩餐って何食べる?」


B「ん〜その最後をどこで迎えるか、よね」


「そこは考えずに」


「だったら食べられない」


「どうして?」


「最後って分かっていて外で呑気にごはん食べる気力ある?絶対無理でしょ?」


「いや、それ言っちゃうと・・・じゃあ最後を家て迎えるなら!」


「ずーっと食べる勇気なくて置いたままのペヤングギガマックス」


「なんで買ったの笑」


「誰かと食べるかなーと思って」


「誰よ?」


「聞くな」


「じゃあ〜実家で最後を迎えるなら!」


「近所のステーキハウス行く」


「えっお母さんの手料理じゃないの?」


「ウチの母親、料理ダメ」


「あー、お母さん譲りなんだ・・・笑」


「何が!笑・・・そういう貴女はなに?最後の晩餐」


「わたし?わたしかぁ・・・何だろ・・・」


そう言って笑いながら、Aはバケットをアヒージョに浸す


A「はいこれ」


B「なに?」


「あげる」


「なんで?・・・ありがと笑」


その瞬間、横目で見ていた金城くんが


"こわっ?!"


口パクで俺に目を剥いた


意味は帰りのタクシーで教えてもらった。

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