第46話 旧のぞみの男子トイレ

たまに臨時列車として走る、JR西日本の旧のぞみ車両内の男子トイレ


これが意外に恐い・・・のは俺だけだろうか・・・


扉は2枚構造になっていて、真ん中を押すと縦に折れる仕組み・・・折戸というやつですね


現行車両の折戸はスムーズに、外からも中からも押せばそう抵抗なく開けることができる


しかし旧車両のそれは、一筋縄ではいかない


開きにくい、というのが正しい表現なのだろうが


兎に角、一度入ると、どこを押せども内側から開けられず、超焦るのだ


もう少し説明を足すと、入るときは扉のセンターを奥へと押すと、縦に割れて左側に隙間ができる


出るときはその逆、扉右手の端を押せば、手前に向かって二つ折りになり、開くというしくみ


ところが旧車両のそれは、俺が鈍臭いのか、毎回閉じ込められる


博多から新神戸に向かうために急遽時間変更して乗ったのぞみ


あちゃー、旧車両だったわ・・・


トイレに行きたいが・・・仕方ない、まあ今回はうまく開くだろう!


そして閉じ込められる


ピンポイントに力点でも存在するのか、毎回2分ほど扉と格闘して、ようやく開くのだ


これ、じっと観察したことはないが、他の皆さんはどうしてるのだろう?


やがて「まもなく新神戸~」とアナウンスが入る


席を立ち、連結部分の昇降口まで通路を進む


ドアの前までくると、3m先の右手にある、さきほど悪戦苦闘したあの男子トイレの窓に


明らかに閉じ込められて焦っている御老人を発見


すぐに扉前まで行き、こちら側から押して開ける


「ああーっ!もう開かなくて!焦った!助かった!おおきにお兄さん!!」


とても感謝された


あれはアカンぞJRさん・・・

開かんぞ・・・


てか旧車両ってまだ走ってるのだろうか?

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