第37話 ヘカス ヘカス エステ ベベーロイ

塾講師をしている娘(23)が最終電車で帰ってきた


帰りを待っていた母親と、キッチンで真夜中の雑談タイムになる


午前1時頃、先に就寝していた父親がトイレに起き、寝ぼけ眼でキッチンにやってきた


喉が渇いたのか、目も開かない状態で冷蔵庫に向かおうとして娘に気付く


「誰だお前!」


突然、声を荒げる


母「お父さん、何言って・・・」


「誰だお前は!娘は何処だ!!」


父親は、今まで見たことのないような鬼の形相で怒鳴る


母親は、父親がおかしくなったのかと不安になり「貴女からも何か言いなさい!」娘に促す


「大丈夫、大丈夫・・・Ἑκάς, ἑκὰς ἔστε, βέβηλοι.」


娘は、今まで見たことのないような不気味な笑顔で父親に告げる


「・・・わかった」


そう言うと父親は、また元の寝ぼけ眼に戻り、台所を出て寝室に消えて行った


母「何?何て言ったの?!」


娘「ふふ」


金城(28)「・・・えっ、終わり?どういうジャンルの話なんですか笑」


白井(23)「お父さんが娘のケバさにびっくりした」


俺「要は1人、この中に悪魔がいる」


宮里(26)「あ、娘!」


大場(35)「父親でしょ」


U部長(45)「意外にもお母さんとか?」


そこまで黙って聞いていた谷やん(35)が寒そうに体を擦っている


俺「どうした?」


谷やんは黙ったまま俺を睨む


俺「なに?笑」


谷「この中に悪魔がいるって、それTさんじゃないんスか」


俺「はぁ?なんで笑」


谷「さっきのあれ何語すか気持ち悪い」


俺「ああἙκάς, ἑκὰς ἔστε, βέβηλοι?」


谷「ほら・・・いま呪い掛けられたで皆・・・めっちゃ寒気する・・・」


俺「あのな。不浄なものは立ち去れって意味」


宮「ふじょうって何ですか?」


俺「心が汚れてる奴」


U「あ、それで寒気が」


白「汚れてる・・・笑」

谷やんは擦るのをやめた

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