第32話 有名な実験
皆様も耳にしたことがあるかも知れない
とある大学の研究室。
四隅に学生が立っている。
時計回りに
角①にA、角②にB、角③にC、角④にD
部屋の明かりを消して真っ暗にする
Aは壁伝いにBの立つ②に歩き、Bにタッチ
タッチされたBは壁伝いにCの立つ③に歩き、Cにタッチ
タッチされたCは壁伝いにDの立つ④に歩き、Dにタッチ
タッチされたDは壁伝いにAの立っていた①に歩くのだが
居ないはずの「5人目」にタッチしてしまった、というもの
昨晩23時半に事務所に戻ってくると灯りが付いている
おや?
まだ誰かいるのか?
扉を開けて入り、応接横を通って中扉を開ける
ん?
誰もおらんぞ?
真っ暗な会議室を開け、電気を付けるが誰も居ない
戸締り忘れたんか?
とりあえず自席に書類を置きに行く
・・・と、入口の開く音がして誰かがやってくる
「あ、Tさんお疲れっす」
「お〜坂下やったんか」
「俺帰りますけど」
「おう、お疲れ様」
「あっそう言えば10分ほど前に『Tさん戻ってるか』って大場さんが・・・掛かってきました?」
「いや?こっちから掛けてみるわ」
「ではお先です」
「お疲れ様」
坂下を見送りながら、自席から大場くんに電話する
「お疲れ様。どうした?」
「あっTさん、いや、もう遅いし、良かったのですが・・・すみません」
「何?」
「◯◯の訪問、明日回るので大丈夫です」
「あっそう?悪いなぁ〜U(部長。海外出張中)の代わり全部押し付けて」
「いえいえ。ではお疲れ様です」
「おう、お疲れ〜」
さて。
俺も書類置きに戻っただけだし、帰るか。
事務所の電気を消し、共用廊下に出る
扉にカードロックを掛け終えたところで、事務所から電話の鳴る音が微かに聞こえてきた
ん?
大場かな?
丁度ロック掛けたところやのに・・・
再度開けようかどうしようか思案していると着信音が消えた
あ、なんだ切れたみたいやな
よし帰ろう・・・
翌朝。
出社してきた大場くんが俺のところにやってくる
「すみません、昨日」
「ん?何が?」
「あの後まだTさん居てらっしゃるかと思って電話しちゃって」
「あー、やっぱりあれ、お前やったん?ごめんごめん」
「いえ、何だか本当に、すみませんでした」
「ん?別にそんな謝ることないやん笑」
「いや、無言でガンッ!!て電話切られたから・・・」
「出てないぞ」
「え?」
「ん?」
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