第11話 笑えない・・・

誰にでも1つは、墓場まで持っていく話があると思う


絶対、誰にも言えない話。


言ってしまうと自分の身が破滅する話、あるいは他人が破滅する話・・・俺にもある


それらがふと、意識の底に閉じ込めていたのに、突然よみがえる事がある


俺の場合、何故か筋トレの最中に思い出すことが多い


まさに最近、筋トレの最中に


中2の時に臨時教師として赴任してきた、理科の扇谷(おうぎたに)先生というオッサンのことを思い出した


何故思い出したのか、理由が分からない


いや俺は、先生に何か・・・やったんだと思う


それが何なのか思い出せない


産休の先生の代わりに赴任した臨時教師として、契約期間がいつまでだったのか知る由も無かったが


その契約期間を満了することなく去っていった気がする


その理由が、原因が、どうも俺発信のような気がするのだ


どうにもこうにも思い出せず、気持ち悪いので、中学の時からの連れである浅田という男にLINEを入れた


「久しぶり。ところで中学の時の臨時教師で、理科の扇谷って憶えてるか?」


「憶えてるもなにもオマエがでっち上げた◯◯ちゃんへの乱暴事件でクビに追い込んだやないか」


・・・はぁ??う、嘘でしょ?!


「いやいや憶えてないんやけど・・・そんなことしたか俺??」


「いや俺は◯◯ちゃんから聞かされただけだから真相は知らんけど」


「あ・・・でも確かに俺、◯◯ちゃんから何か頼まれた気もする・・・」


「てかお前、今更なんでこんなこと聞くの?」


「あっ・・・いや、なんか脳裏に蘇って・・・」


「お前ら付き合ってたみたいやけど、まあ深入りせんで良かったんやないの?◯◯ちゃん捕まったんやから。」


「え?ええ??捕まった??なんで?!」


「あれ?知らんか?結婚詐欺バレて22、3才の頃に。そういう素質、あったんやろ昔から」


「なあ、俺がでっち上げたってどういう意味??」


「だ〜から。俺は◯◯ちゃんから聞いただけなんだって」


そもそも付き合っていた記憶がない。


俺は一体、何をしたというのだ・・・(ll゜д゜)

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