第4話 一握りの勇気〜押し出す覚悟
「外の様子、どうですか」
「今の所この部屋の周りにはいないな、おそらく人が多くいる場所に集まってるんだろな、とは言えそれも時間の問題だ、校内に逃げ込んでいる学生もいる、外が片付けば当然次は中、ここも危ない、数が少ない今のうちに動いた方がいい」
「それなら早く島先生も見つけてここを出ないと」
「はぁ…若菜、気持ちは分かるけどそんな事してる余裕はないの」
「でも…協力すればなんとか」
「若菜君、この状況で確実性のない行動をするのはリスクが大きすぎる、君1人なら好きにすればいい、でも集団で動く時に君のその考えはみんなを不幸にするだけだよ」
「そう言う事よ、分かった?」
「
「そうだなぁ行き当たりばったりな方法しかないからなぁ」
「2号館…」
「若菜?」
「そっちに逃げよう、そして南側から出れば必ず助かる」
「若菜、なんの確信があるわけ? 直感なんて言わないでよね」
「希君落ち着いて、話を聞こう」
「関係者用駐車場、確かにそこならこの職員カードがないと入れない、いい案だ、この騒ぎだから車はおそらく使えないが脱出ルートならぴったりだな、問題はそこまでのルートをどうするかだ」
「それなら大丈夫だと思います、きっと永遠も向かっています、中間地点で合流出来ます」
「永遠? あいつはカードなんて持ってないだろ、向かった所で何も出来ないましてや合流なんて、入れないんだから」
「あ、そっか、
「え?」
「まぁそんな事どうでもいいわ、若菜、最適ルートの案内頼むわよ」
唖然とする
ちょうどその頃、
「勢いだけでこんな所まで来ちまったけど、ここからどうすればいいんだよ、早くしねぇとみんなが…あれは、先生!」
「うぅ…その声は…神坂か?」
「先生、すぐに応急処置します、ちょうど包帯があるのでとりあえず止血します」
先生は処置を開始しようとする
「どうして、まだ助かります!」
「お前…も 分かって…るだろ? 一度…噛まれら、やつ…の仲間……それに…私…は、楽し…人生だた…最後に お前や…如月みたいな、やんちゃで…バカで…才能…に溢れた…生徒と会え…は、誇り…に思う これを…持っていけ」
先生は細々とした声で自身の胸の内を
「う、うぅあぁぁ」
「先生……ごめんなさい」
「先生…クッ!」
「あ、やく…撃て」
「先生?」
先生はまだ僅かに自我が残っていた、今なら先生は
「うゔあぁうぁ!!」
「クッソ、流石にあんなに大きな音を立てれば奴らも集まって来るか、早いとこ移動しないとな」
銃声を聞いて化物達が集まって来た、数は3体と少ないが
「後ろ!」
「え!?」
「うぐぁあぁ!!!」
その声にで後ろを振り返り、飛びかかって来た
「なんて力だよ! 耐えられねぇ!」
間一髪の所で化物を
「お前なんでここに」
「なんでって単騎で行動するのは死ぬのと一緒だからな、さっき銃声聞こえたから急いで来た、それよりも、まだこんな物騒なもん持ち歩いてんのか」
「永遠! その人は」
「分かってる、島さんだろ? だったら尚更だろ、殺してやろう、これ以上醜い姿のまま徘徊させないために」
「行くぞ!」
「あ! おい!」
「はぁ…このバカ! 死んでたぞお前」
「わりぃ」
「とりあえず歩こう、息を整えながら」
「分かった」
「島さんは初めから化物だったのか?」
「違う、俺が見つけた時はまだギリギリ生きてた、俺達と会えて嬉しかったって言ってた、そして最後にこの職員カードを渡された」
「よかったな、それがあるなら及第点だよ」
「どういう事だ? それに今どこに向かってるんだよ」
「2号館」
「そっか、このカードがあれば南側の駐車場から出られるのか」
「そう、だから先回りしてハッキングして開けようと思ってたけどそれがあるなら問題ない、あいつらも行ってるなら先に追いつけるはず」
「ちょっと待てよ、そっちに行ってるなんて分かんないだろ、どっか隠れてるかもしれない」
「かもな、でもそれぐらいしか選択肢がない、悠長に探してたらそれこそ終わりだよ、周りを囲まれて脱出不可能になるだけ、運が良ければ生き残れると思うけど」
この状況でも冷静に淡々と語る
まず奴らの生命力、これは言うまでもなく高い、現に銃弾を2発浴びせても死ななかった、そして筋肉が発達しているのか人間のリミッターが外れているかは分からないが並の筋力ではまず力負けする、その代わりにものすごい早さで腐敗するのか奴らは非常に骨が弱い、躊躇わずに拳を振り抜けば頭蓋骨は砕ける。
そして化物も一応は生物なのだろう、脳からの信号を遮断する事が出来ればもう動かない。
頭はおそらく悪い、と言うより本能で動いている様に感じる、
視力、聴力、についてはよく分からないが最低限はあると言っていい、あとは鼻がどれだけ効くかはかなり重要になって来る。
「へぇ〜そんなに考えてるのか」
「いたぞ永遠! 希だ! もう1人はちょうど見えないけど背丈からして若菜だろ 早く行こう!」
2人は同時に走り出したが、ふと血溜まりに目線を落とした
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