第4話 大団円

 気が付くとフォクスクイーンの姿はどこにも無く、ステージ上にいるのは神界戦隊の五人だけだった。会場に大きな拍手が巻き起こる。ファンたちはこれをイベントの一部だと受けとめていた。


 控室に戻った佑馬たちはガイナピンク、多賀谷千里の周りに集まった。

「よく来てくれたな、ピンク」

「でも、譲れない思いっていったい何なの?」


「うちは……」

 千里は目を伏せ、画像を表示したスマホを差し出した。

「これを見て」

「おお」

 画像を見た四人は声を上げる。

「こんなことを云うて、みんなに迷惑なんはわかっとる。でもうちはどうしてもレッドを……」

 言葉がとぎれる。そして、千里は声を絞り出した。

りたいんよ」


 画像のレッドは胸のふくらみがあり真紅の唇をしていた。

「そう言えば、千里もレッド役のオーディションを受けていたのよね」

「いいんじゃないか、交代しても」

「アニメでも主力メカの交代や、ライバルキャラがいつの間にか主役ってあるもんな」

「それも新鮮よね」

「え……」

 佑馬は議論の進展に動転した。

「それじゃあ俺は……」

「ピンクを演ってもらうことになるわね」

「ええー」

「フォクスクイーンも千里を応援してることだしね」

「でも、ピンクのバトルスーツはミニスカートだぜ。それはまずいんじゃあ……」

「その下はスパッツだから問題ないわよ」

「そんなあ……」

 多数決のもと方針が決定され、新たな配役による神界戦隊がスタートしたのだった。


  終わり

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レッドを絶対、うちのもんに…… oxygendes @oxygendes

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