会場散策 (27:ハナミさん)
ここはクリエイティブな物書きと、それをこよなく愛する読者さんが住んでいる国『カクヨーム王国』である。
今日はなんだか雨模様。朝から子供の送り迎えを車でしたりとバタバタしていた和響とやらは、連載中の「伝書猫」とやらを書き上げ、やっとこの作品紹介にやってきたようだ。
「頭をフルに動かして、ミステリー二話も書いてきたぁ。社会問題をテーマにしてるから、調べながら書くのが少しだ変だけど、調べていろいろ勉強できるんだよね。では早速、 自主企画【戦争のない平和な世界になりますようにと、優しい「祈り」を込めて書いた作品募集します!https://kakuyomu.jp/user_events/16816927861270086890】へと向かいますか!」
大変便利な妄想世界、現実ワールドは雨だというのに、青空に虹がかかっている。会場内もカラフルなホログラムが浮いていて、なんとも平和な世界だ。
「今日は青空だね。あ! あそこに白い鳩! きっと誰かのお手紙を運んでるんだろうな。では、今日はえっと、エントリーナンバー27番のハナミさんだね! 最初にご挨拶してから一ヶ月以上たっちゃった。急いでいかねば!いでよ!ハナミ
さんの、
27)【同じ人間なのにTwitterの情報しかないけど 作者:ハナミ】
https://kakuyomu.jp/works/16816927861307047365 」
目の前のホログラムに、何やら一人の女性が思う事を一生懸命書いている姿が浮かび上がった。
「うんうん、ハナミさんの思いを今書いてるんだよね。今すぐ、そのお話聞きに行きます!」
そういって、和響は、そのホログラムを手で触った。するとふっと重たい体が一瞬浮いて、くるっとまわったかと思うと、ハナミさんの本屋さんの前についていた。ここはどうやら、エッセイシティのようである。都会ではないリアルな街並み。住宅街だろうか。子供が時々楽しそうに走って行くのが見える。
「えっと、あった、ここだよね。ハナミさんの本屋さん。一見普通の住宅だけど、横におっきく、風鈴ちゃんのレビューがついてるもん」
『祈り、それは愛するモノたちへの祝福!争いの無い世界を祈ってやまない!
レビュー:風鈴
ウクライナだけでなく、世界の争い事がなくなって、
平和な時代が来て欲しい。自己中のオトナ、自己中の国!
国益を守るの名の下、他の国はどうなろうと構わない。
自分さえ、自国さえ良ければそれで良い。
アメリカファースト、都民ファースト!
あんたら、ファーストになって、セカンド、サードは用無しか?
いや、その他は、どうなろうと構わないのか?
ワガママな政策がまかり通る今、もう一度、世界の平和を祈ってみて欲しい!
ハナミワールドは、健在です!
時々、シャウトして欲しい(^^) 』
「風ちゃんもシャウトしてるじゃんね。ではでは、早速、お邪魔しまぁす」
そういって、仲良しのカクヨムさんのレビューを読んでから、ハナミさんの本屋さんの中に入って行った。ドアを開けると、そこは普通の玄関のようだ。靴を脱いで、リビングへと向かう。リビングではテレビがついていて、ウクライナのニュースをちょうどやっているようだ。
「あ、ウクライナの今をやってる。お、切り替わった。え? 嘘、なんで? なんでプーチンは私たちの神よってこのおばさんいってるの? モルドバの親ロシア地域のおばさんだ、ソ連時代に戻るって? ウクライナ人が自分たちで国民を殺してるって? はぁ? 何いってんだこのおばさん!もう、意見が違うのはしょうがないけど、戦争はダメでしょって。全く。あ、私もなんだかシャウトしたくなってるのかな」
そう言いながら、リモコンでテレビの電源を切り、テレビの前に置いてあるローテーブルから、ハナミさんの本を取り上げて、その中に頭からそこへ入って行った。そして、うんうん、うんうん。と相槌を打ちながらハナミさんのシャウトを味わい尽くし、ぽんっとまた元の位置に戻ってきた。
「シャウトしたくなる! この状況なんとかなってって思う! 理不尽な世界はもう終止符だ!本当だよ。ものすごいシャウトだった」
そういって、お手紙を書き書き、
「ずいぶん遅くなってしまいましたが、明日、平和と祈りの祭典でご紹介させてくださいっと。よし、これでオッケー! ハナミさんありがとうございました!私も同じ気持ちですっと」
そういって、ハナミさんの本屋さんを後にする。
「人は誰でも辛い時がある。そんな時は気持ちを書き出して整理してもいいよね。そこにはきっと、自分の物語があるもん」
そう言いながら見上げる空はどこまでも続いていて、きっとこの空の先の先に、ウクライナもあるのだと思うと、胸が詰まる思いをしているようだ。頭の上にそう活字で書いてある。
本当に、戦争だけはダメだ。
いっぱい人が死んじゃう。
そこで生きてきた人たちの歴史も、物語も消えてしまう。
だから、今日も祈るんだ。
子供たちの未来はそんな未来なじゃないようにする為に。
心から祈りを込めて。
――黙祷。
世界が優しい光に包まれて、戦争のない世界になりますように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます