会場散策 (19:チョッキリさん)
ここはクリエイティブな物書きと、それをこよなく愛する読者さんが住んでいる国『カクヨーム王国』である。
さてさて、本日も早速、
「怒涛の春休みに突入したー! しかも無謀にも公募作品を四日で書き上げていた……。その後の家族旅行……。全く会場散策を更新できてないのが気がかりすぎちゃった!」
なんて大きな独り言なのだろうか。もはや独り言の域を超えていて、文章的にはモノローグである。
「さてさて、では早速! 自主企画【戦争のない平和な世界になりますようにと、優しい「祈り」を込めて書いた作品募集します!https://kakuyomu.jp/user_events/16816927861270086890】へレッツラゴー!」
大変便利な妄想世界。作者的には久しぶりのセリフだったご様子。あっという間にカラフルなイベント会場についたようだ。参加作品はさらに増えて、ただいま123作品、本日はエイプリルフールであるが、これは嘘ではなく紛れもない作品数である。
「うわぁ! めっちゃ増えた! そして、会場内も前よりたくさんのカクヨムさんが歩いていて、なんか楽しそう! ではでは、早速、今日の本屋さんへ行っちゃおうかなっと。えっと、会場マップを今見てるんだけど、次は確か18番の冴條れいさんだね! 冴條れいさんの本屋さんへレッツラゴー!って、あれあれ? 見つからない……? もしかして何かご事情があって、公開しなくなっちゃったのかな……。私が遅すぎたせいだったら……。あぁぁ、本当にごめんなさい!」
そんなことに遭遇したことがないので、少々動揺しているようだ。だがしかしそれも致し方ない。ここは自由の国カクヨーム王国。来るもの拒まず、去るもの追わずの自由な世界なのだ。
――すごく反省。ほったらかして自分の夢を追いかけていた自分に反省。でも、これも仕方ないことなのかな……。よし! 気を取り直して! では、次の方は誰かなっと、次は19番のチョッキリさんだね!
「では早速! エントリーナンバー18番のチョッキリさんhttps://kakuyomu.jp/users/Chokkiri182の本屋さんへレッツラゴー!」
便利な妄想世界はあっという間にチョッキリさんの本屋さんがあるポエム・童話シティについた。だがしかし様子がおかしい。どうやらここは、ポエム・童話シティでも町外れのところにある橋を渡った先、そう、犯罪だらけのグラデーボレ・シティの中のようだ。しかも、Bar「Delizioso」と書いた小さな看板がついているお店の前である。和響とやらは、現実ワールドでもお酒が好きなので、少々胸躍らせている様子だ。え?嘘?まじで?BARなんて最高じゃね? などと言いながらそのお店を観察している。
「え? 嘘? まじで? BARなんて最高じゃね? だって五人子持ちの引きこもり主婦としては、BARなんて、あなた、憧れの場所じゃないっすか。めっちゃいい! 絶対美味しいお酒がありそう! でも、ここは犯罪ならなんでもありなグラデーボレ・シティだしな……。そこはちゃんと分かった上でこのお店に入らないと、身に危険が及んでくるやも知れぬ。そこはしっかりとしないとね! ではでは、チョッキリさんお邪魔しまぁす……」
と言いながら、そのBar「Delizioso」の木の扉をそっと鐘を鳴らしながら開けた。中には木でできたカウンター席が少し、いかにも隠れ家的なBARのようだ。カウンターテーブルの上には、出来立てのナポリタンスパゲッティが置かれている。
――くんくん、美味しそうなケチャップの香り。これは、ナポリタン? BARでナポリタン……。あるある、そういうお店あるわぁ。昔よく行ってたお店も、マスターお手製のパスタが食べれた。おっと、いかんいかん、早速妄想アトラクションにお邪魔しなくては!
「マスター、ジントニックと、私もナポリタンひとつ。でもその前に、チョッキリさんの
【サンチョ・パッソ 作者:チョッキリhttps://kakuyomu.jp/works/16816927861282648774】を体験させてくださーい」
と、カウンターの中にいるマスターに声をかけた。するとマスターは、静かにジントニックを作り、軽くステアをしてから、スッとカウンターの奥から机を滑らせて和響に届け、その後、店の奥から銀色のアタッシュケースを持ってきて、和響に手渡したようだ。和響は、ジントニックを一気に飲み干し、その銀のアタッシュケースを慎重に開けて、その中へ頭からすっぽりと 入って行った。そして、その中で何やらお楽しみのようだ。
「えー、めっちゃ好きこのキャラ! え? なんか思ってたよりハードボイルドな空気感じゃない!? いいや、ハードボイルドなんだけど、アニメを見てるみたいってことか。そうか、ガチの血塗れのハリウッド映画なマフィアじゃなくて、どっちかっていうと、アニメで見るような少しギャグセンスなんかも入ってるって感じ? だからなのかー!ここはポエム・童話シティだもんね!最高か!めっちゃ面白い! 全十八話! イケメンコンテスト作品ね! 完結してるから最後まで読みたいけど、時間的に今日は無理だ……。これは一旦出て、お手紙を書いておかなきゃね!」
とまたまた長い独り言をいい、ぽんっと、先ほどのバーカウンターまで戻ってきた。そして、何やらお手紙を書き書き。先程の銀のアタッシュケースの中に入れる。
――すんごい面白いマフィアのボスだった。サメの水槽とか、絵図らがマジで面白い!しかも読みやすい文章だから、すいすい読んじゃった。
そんなことを考えながら、ピーマン抜きのナポリタンを食べ、口元をハンカチで拭って、ご馳走様をマスターに伝えた。よく見ると、いつも着ているスウェットの胸元にケチャップがついている。何歳児なんだ? と思うほどに。
「やべ! またつけちゃったケチャップ。ま、いっか!ここは妄想ワールドだしね!昨日は家族旅行で、買ったばかりの春ワンピースにお好み焼きのソースをつけたけど、それよりはマシだ。ではマスター、ご馳走様でした! チョッキリさんにお手紙よろしくお願いたしますぅ」
とマスターに挨拶をして、チョッキリさんの本屋さんを後にした。店を出ると、愛嬌溢れるマフィアたちが何やら紛争をしているようだが、わちゃわちゃなんだか楽しそうな雰囲気である。
――危ない街だけど、なんか憎めない街「グラデーボレ・シティ」だったな。どんなに争う気持ちがあっても、リアルで戦争だけはダメだよね。もしかしたら私が体験した妄想アトラクションの続きは激しい戦闘もあるかも知れないけれど、それは物語の世界であって、リアルではない。本当に早く戦争が終わってほしい。世界中から、紛争もなくなってほしい。そう願わずにはいられないよぉ。
空に浮かび上がるお月様に向かい、そう言って語りかけた和響とやらのカクヨーム王国での日常は今日も平和に過ぎていく。だがしかし、現実ワールドでは、そうも言ってられない国や地域があることは、決して忘れてはいけないだろう。だからこそ、今日も祈るのだ。
世界中から戦争や紛争がなくなり、平和な世界になりますように、と。
――黙祷。
戦争のない平和な世界を望んでいます。
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