会場散策 (16:茶々アルトさん)

ここはクリエイティブな物書きと、それをこよなく愛する読者さんが住んでいる国『カクヨーム王国』である。


さてさて、本日も早速、和響わおんとやらを覗き見してみよう。今日も彼女は、『平和と祈りの祭典』会場へと早速出かけて行く。


「やっと帰ってきたぜ! カクヨーム王国! はぁ、現実ワールドでは忙しかった! さてさて、では早速! 自主企画【戦争のない平和な世界になりますようにと、優しい「祈り」を込めて書いた作品募集します!】https://kakuyomu.jp/user_events/16816927861270086890】へレッツラゴー!」


大変便利な妄想世界。あっという間にカラフルで優しい空気に包まれたイベント会場へ到着した。どうやらさらにさらに出店数が増えて、今や108作品になったようだ。会場内にはカクヨーム王国中から様々なジャンルの作品が並び、こんなにも沢山の平和を祈る人々がいるのかと、見ているだけで心が和らぐ。


――すごい! また増えてる! もうさ、毎日ニュース見て落ち込んでしまうから、こういう賑やかな会場でみんなで平和を祈るって大事なことだよね! 一人だと塞ぎ込みたくなっちゃうもん! よし、では早速こないだの続きだな! えっと次は確か、エントリーナンバー16番の茶々アルトさんだね!


「では早速! 茶々アルトさんの【完結後毎日更新:修学旅行で学校イチ可愛い子がスカウトされたら、告白されて遠恋が始まり10年経ちました。コロナで2年逢えなかったので久しぶりにのんびりラブラブしたいけど、うーん?距離感がわからない。 作者:茶々アルト】https://kakuyomu.jp/works/16816927859453150434 へレッツラゴー!」


これまた便利な妄想世界は少し指を動かしただけで、あっという間に茶々アルトさんの本屋さんの前についた。ここは、どうやら恋愛シティの端っこ。単なるラブラブだけではないような雰囲気を醸し出しているのは、なぜだろう? 少しややこしい愛情劇でもあるのであろうか。


――え? 茶々さんの本屋さんに張り紙がしてあるぞ? えっとなになに?


『エッセイ楽しく拝見させて頂いてます。大変申し訳ありませんが戦争の作品の応募作品を変更させてください。みなさまの祈りと私の祈りの想いが違うと感じました。』


――なんと!? そんなん全然いいですヨォ! だってその自主参加ボタンを押した時点で平和への祈りに一票ですやん! でも、なんて真面目な方なんだろう。そう言われるのであれば、その変更した作品にも早速行っちゃおっかな!


そう言いながら、茶々アルトさんの本屋さんへと入ってく。見たところ普通の本屋さんのようだ。物語だけではなく、育児日記や介護資格の本なども置いてある。そして本屋さんの片隅には地球グミが獲れるクレーンゲームが置いてあるのは、茶々さんがちゃんと子育てをしているパパさんだからだろうか。あのクレーンゲームは直ぐに獲れる設定にしてあるだろう。そんな優しいパパさんがやっている本屋さんなのだ。


――お! 地球グミじゃん! あとで遊ばせてもらおっと! えっとではどれかな、どれかなっと。あったこれだ!


【兵隊さんを、待たんといかん。  作者:茶々アルト】

https://kakuyomu.jp/works/16816927861755650509


そう言って本を見つけた和響は頭からいつものようにすっぽりと中に入り、そして、あぁ、それは心配だよぉ。おばあちゃぁん。ううう。と何やら涙を流し、元いた場所に鼻をかみながら帰ってきた。


「はぁー。なんか実話なんだって。もうね、涙が出てしまいましたわ! いつの時代も戦争は誰も幸せにしない。ほんとその通り。直ぐに読めちゃうお話なので、みなさんぜひ読んで欲しいです! だよぉ。短い中に詰まってた!」


――そういえば茶々さんは、他にはどんなのを書かれていらっしゃるのだろう?


と本を返しに行ったついでに他の本を手に取ったようだ。そして、また頭からすっぽり入っていき、このエッセイすごいな! と声をあげてまた元の位置に戻ってきた。


【とある特性母娘の育児日記。発達障害の育児日記。  作者:茶々アルト】

https://kakuyomu.jp/works/16816927861379928358


「すごい茶々さん! めちゃくちゃいいパパさんだ!やっぱし!これはたまに読んで自分の子育ても見直したいかもだ! 本棚ストーック!」


そう言って、茶々さんのエッセイを自分の本棚にしまった和響は、地球グミのクレーンでは遊ばず、本屋さんから出て歩き始めた。それはどこまでも続く青空。二匹の白い鳩が飛んでいる。あの白い鳩はきっと男の子のお手紙を運んでいるのだろう。


――茶々さんの書いてる兵隊さんを待ち続けるおばあちゃんの話。もっと前ならへぇ戦争の記憶ですねって思ったかもだけど、今は受け取り方が全然違うな。まさに今、戦争をしている国があって、毎日ニュースでも見てる。けど、大事なのはこの先、戦争のない世界になっても忘れずに戦争はいかんって伝え続けていかないとダメだよね。未来永劫平和は受け継がれて行かなきゃね。それが私たち大人の役目だもんね!


こうして今日も平和にカクヨーム王国の日常は過ぎていくのであった。現実ワールドでも、それぞれが違う考え方を認め合い、仲良くできる優しい世界になってもらいたいものだ。



最後に、戦争でお亡くなりになられた方々へ鎮魂の祈りを込めて、世界が戦争ない平和な世界になりますようにと祈りを捧げて終わりたいと思います。



――黙祷。



優しい光に包まれた暖かい平和な世界に早くなりますように。



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