第11話 再会

「はぁ〜、どうしよう」

ここから動いた方がいいというのは分かる。でももしまた違う道に行ったら、もう一生1人になるかもしれない。

あれこれ考えているとふとこっちに近づいてくるような音がした。

「ま、まさか幽霊!?」

そんなことはないと思うけど、とりあえず近くの木に隠れた。

正体は…加藤さんだった。

「はぁ〜。やっぱどっか行ったか…。」

やっぱりこの声は加藤さんだ。でもどうしてだろう。なんで来てくれたんだろう。

「…ごめんな。久野さん…。」

なんで謝るんだろう。悪いのは全部私なのに。とりあえず私は姿を見せるように少しずつ加藤さんに近づいた。するとこっちに視線を送った。そして彼の前まで来た。

「加藤さん…こちらこそごめんね」

本当に何回も何回も謝られてもう信用されなくなったのかもしれない。でも謝らないと後悔する。と昔の自分が言うような気がしたのだ。

「何度も何度も嫌な想いさせてごめん。もう、嫌な思いさせないって決めたのに。」

「いや、こっちこそ!…ちょっとした事で怒るの治そうとしてたのに。嫌な想いさせないようにって決めてた。だから、どっちもお互いさまだよ。それよりこんな気まずくなるの久野さんも嫌だと思わない?だからお互いギクシャクしないようにしようぜ。」

「そうだね…。」

2度目の仲直りをした。さっきまで少しモヤがかかったような気持ちで夕焼けを見てたけど今少しだけスッキリした気持ちで見ると、さっきよりもキラキラ光ってるような気がする。やっぱり空が好きだ。そして多分今、目の前にいる人も好きなのかもしれない。

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0秒の時間の中で 虹なん @niziirodesu

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