加藤さん視点 二度目の喧嘩

はぁ…また喧嘩してしまった。何やってんだ。僕。きっとまた久野さんを傷つけた。いや怒ってるかもしれないし、嫌われたかもしれない。

「なんか寂しいなぁ。」

本当に僕は馬鹿だ。もうこんな喧嘩しないと決めたのに。僕って本当に学習しない人だ。

「はぁ…マジで喧嘩しなければ良かった。」

泣きそうになりふと上を見た。見ると空には夕焼け空が広がっていた。少しだけ慰められたような感じがする。

「よし、謝りに行こう。進まなきゃな。」

1歩1歩来た道を戻る。

「ふふっ…」

「えっ?」

一瞬声がしたような気がした。この幼い声は僕なのかもしれない。

「頑張ってね」

僕は昔の僕に今励まされたのかもしれない。

「うん」

僕は誰も居ない。いや、昔の僕に向かってそう呟いた。

それにしても僕も迷子と言えば迷子だ。来た道は幸い覚えているからなんとか戻れるだろう。でも問題は久野さんだ。もとの場所にいたら合流は出来るかもしれない。でももし動いてしまっていたら時が止まってる以上何年も、いや一生会う事も出来ないかもしれない。

「いや、進め」

進もう。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る