第9話 二度目の喧嘩

どうしよう。また喧嘩してしまった。しかも今1人だ。加藤さんはどっかに行ってしまった。まだ空はオレンジ色だから暗くはない。でも、

「1人怖いな〜。。」

私は学習しない生き物なのだ。どんだけミスしても治せないし。「掃除しなさい!」と言われてもしない。そんな人間なのだ。だから私には黒歴史が人より多い気がする。

「はぁ〜。喧嘩しなければ良かった。」

私は泣いた。泣いていてもどうにもならないのに。

何時間か経って私は見知らぬ景色を眺めた。やっぱり夕焼けは綺麗だった。少しだけ心が軽くなったような。

そういえば昔も空に救われた気がする。SNSで見た言葉で…

「ほら、進まなきゃ」

「えっ…?」

一瞬声がしたような気がした。この幼い声は多分、昔の私だ。

走馬灯なのか?いや違うよね?でも、なんか勇気づけられた気がする。

「そうだね。進まなきゃね。」

誰も居ないけど、いや昔の私に届くように呟いた。

でもその後どうすればいいか迷った。スマホも持っていなければ人も動いてない。しかも迷子だし。加藤さんは何をしているのだろうか。

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