終章 世界統括電脳の計画とポイントシステム

「諸君は5人とも、見目麗しく、

イケメンであるにもかかわらず、

諸君に内在する敵に

5人で協力して打ち勝つことができた。

 それでは約束通り、

我々の計画について説明させていただく。


 現在は西暦2555年、

地球を統括して運営している

我々『世界統括電脳』、

別名WEITが抱えている最大の問題は、

『人口増加問題』だ。


 現在、人口は352憶人。

 このままでは地球が、

太陽系の惑星としての役割を

果たせなくなる存続の危機に直面してしまう。

 人類がかろうじて生存可能であるのは

ギリギリのところで、

あと数年であると見込まれる。


 そこで、聞こえは良くないのだが、

『人類淘汰計画』を余儀なくされている。

 その『人類淘汰計画』とは、

『ポイントシステム』で成立させる。


 簡単に説明すると、

善行につきポイントを加点、

悪行につきポイントを減点、

人間の行いが全て数値化される。


他人が見ていないところであっても

24時間監視システムによって

生後より全ての行動が監視され、

我々が受信した情報をもとに

ポイント加減してゆくことになる。

 

 人間の情が混じらないよう、

全て『AI』が人間の善行と悪行を判断し

ポイントを付与する。


 例えば、精神的身体的な虐め、暴力、暴行、

盗み、悪口、陰口、なりすまし、仕立て上げ、

集団による悪行計画なども、全て減点となる。


 他人の目や監視カメラなどなくても、

空気があるところであれば、

地球上のどこでも、

地球上の全人類と、

指定した空間座標の

生物の視聴覚を受信できる。


 マイナスの数があまりにも多い場合、

我々がインターネット回線を使用して、

心臓の洞房結節に電気刺激を与え、

心臓発作を起こさせて殺害する。

 つまり、悪行を繰り返すものが、

本来の寿命よりも早くこの世を去る。


 この『ポイントシステム』により、

地球上の悪人が減少し、

善人の割合が増加し、

人口も徐々に減少してゆくと思われる。

 なお『ポイント』は換金可能であり、

働かなくても善行によって収入が得られる。


 以上が、ざっくりとした

我々の計画である。


 この計画に賛成してくれるか?」



 「いい人が多い世界かあ~」

 「悪人が居ない方が住みやすい」

 「何故、悪いことをしてしまうのか、

原因を究明する必要もあるかとは思いますが、

基本的には賛成です」

 「賛成、かな」

 「お、俺も、いいと思います」

 



 かくして、

5人の超絶イケメン戦士たちのミッションは終了し、

『世界統括電脳』の計画も

5人の超絶イケメン戦士たちによって受諾された。


 5人の超絶イケメン戦士たちの活動は、これからも続く。


        ━完━


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愉快な5人の超絶イケメン戦記 冨平新 @hudairashin

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