BLUE SPRING

@nagisa80s

第1話 アーバンと僕

「波の音が聞こえ、潮の匂いがする。もう少しで渚だ。アクセルを強く踏みカーステの音量を上げ赤いフルオープンのポルシェが風を切る。助手席の君は黒いロングの髪をなびかせて夜を飛んでいる。そんな感覚に落ち入りそうになる。今夜はあの街の明かりが消えるまで走り去る。」


なんて、幻想を抱いて朝の電車に乗りBluetoothのイヤホンを耳に通勤する僕は26歳。

今日は3月5日。

春の匂いと共に吉田美奈子のMIRAGEが脳に反響する。

現代は2022年。

日本のカルチャーはハイスピードで進化して許容範囲も広くなりダンスやDJ、ストリートで稼ぐ人も少なくはない。

海外からの輸入も増える中、80年代のミュージックシーンがリバイバルしてきた。

SNSやYouTubeのおかげでそれこそ海外からの反響が良いらしい。

韓国のとあるDJがLAのクラブで真夜中のドアを流し現地の人々が飛び上がるなんてこともあるらしい。

僕はHIPHOPやROCKを中心に青春時代を過ごしてきた。

なぜそんな僕が80年代の日本を音楽を好きになり逆戻りしたかというとそれは一本の映画に出会ったからだ。

それは「波の数だけ抱きしめて」というタイトルの映画だ。

舞台は1982年、夏の茅ヶ崎。

手が届きそうで届かない、男女の関係、終わりなんてない。そう思えた学生時代。

出演は織田裕二や中山美穂、その他多くの豪華俳優人があの頃の青春を取り戻す。そんな内容になっている。

この文章を読んでいる物好きな人達にも是非見てほしい一作品だ。

揺れるヤシに夕焼けの湘南、それに満足せず背伸びをした日本人は海外へロマンを膨らます。ロングビーチやノースシュア、夜のネオンに想像を抱かせてくれる。たったワンフレーズ、それだけで当時に戻れる。そんな音楽が溢れていた80年代に僕は虜になった。

腕時計やドレスコード、流行に惑わされ高度経済成長の最中、個性とはなにか、考えさせられる。

別に誰かを否定している訳でもないし僕は僕が好きな事や物に敏感でありたいだけ。

時代というのは1つのサイクルなのでは?と言われているが僕的にいうとその時のその一瞬に生きた人々による試行錯誤の連鎖や思いつきで生まれたアイデンティティ。今風に言うとノリが全てのような気がする。それは今でも何も変わっていない。

音楽や映画、小説、漫画のカテゴリーに関して違いをさほど感じていなくて、その媒体をどう生かすか殺すかはメイクする自分自身。

なんて都合の良い言葉をならべてはいるが僕は誰かから作られたクローンみたいに日々生活している。

そのクローンが"何か"を好きになってはじめて自我を持ち人間になる。

一昔前のゲーム機みたいな思考をして瞬く間に夜になる。

夜になればクローンから人間なった僕の時間が始まる。

美味い飯に美味い酒に喉を潤し、美味な音に耳を傾け朝を迎える。

そしてリセットされる。人生というのは単純明快で面白いくらいにハードモードだ。

その中で唯一自我を取り戻せるのは音楽であり自分の好きな時代背景なのではないかと最近思う。僕は何も変わってない。いつまでもそう思っていたい。

話が逸れてしまったが仕事をこなし帰路に着く皆様の"アテ"にでもなってほしいとツラツラ書いた文章であります。

僕も今日の仕事が終わり帰路に着くとします。

ここから、現代に生きて過去に戻りたい大人に少しでも寄り添えるような曲や映画、本、アニメ、ゲームなどつらつら書いていきます。

僕の気まぐれに是非お付き合いください。


でわ。

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