【お知らせ】なおも佐野君にお願いしてみました
日中は暑い日が続くが、朝晩は冷えている。
このぐらいの時期に布団にくるまるのは幸せだと、ぬくぬく寝ていたら足の上にノシッと。
またタマか、メイかよーと思いバッと身体を起こしたら、
「えっ?」
足の上に封筒を咥えたタマが乗っかっていた。
衝撃である。
「も、もしかして……ま、また、なのか……?」
このシーンには見覚えがあった。
タマはペッと封筒を落とすと、俺の足の上からどいた。そしてジッと俺を見る。
「わかったよ……読めばいいんだろう読めば……なになに? 呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン! おめでとうございます、この度『前略、山暮らしを始めました。』六巻が7/10(水)に発売決定しました。すごいだろえらいだろ、褒めろ? うん、まぁ六巻か、すごいな。それにしても呼ばれて飛び出てって……古いな」
そっちの方が気になった。
タマに早く続きを読めとばかりにつつかれる。
「いてっ、いちいちつつくなってのー。えーと、引き続きイラストレーターは、しの様です。今回もカッコかわいいニワトリたちをいっぱい描いてくださいます。うん、挿絵は絶対見たいよなー」
なにせいつも表紙のニワトリたち、前の方にいるし。
布団をはだけて起き上がった。
「今回の内容も冬です。年が明けてからの狩猟とイベントが盛りだくさんです。節分、バレンタイン、俺の誕生日など目白押し、内容についてはwebの299話~354話の途中までと、四阿の部分を入れ込みました。書下ろしは4本書きまして、本編への入れ込みも含めてトータルで50ページ以上書き下ろしています? へー、がんばったんだなー」
布団を畳む。
「えーと書下ろしの内容は、webでは語られていない謎についての話が二篇、ひよこの頃の話、そしてタマが大蛇を嫌う理由についての話の合計四篇です。タマの理由については知りたいなー。って、だからなんでつつくんだよっ!」
慌てて部屋を出、居間の方へ走って逃げた。
今日もタマとユマが卵を産んでくれたようだ。回収して布で拭き、籠に移す間もタマにつんつんとつつかれる。痛くないようにつつかれているが、勘弁してほしい。
俺まだ作業着じゃないんだぞ。スエット姿でつつかれるの、地味に痛いんだっつーの。
「つつかなくてもいいだろーが」
苦笑した。
「あれ? 続きか?」
ユマがもう一通封筒を差し出してきたので、受け取ってユマの羽を撫でた。
「webでは語られていない謎は、冬の間何故ニシ山の裏山に獲物がいなかったのか、そして養鶏場の裏山で遊んできたはずのニワトリたちがものすごく汚れて帰ってきた件です。あー、これ確かに気になってたんだよなー」
手紙を近くに置いてニワトリたちの餌を用意する。
「それらの謎については、『虎又さんとお嫁さん』で大体説明がされていますが、書籍には違う視点によりその時の謎がなんとなく解明されています。なので六巻は必読ですよ! って。まぁ知りたいよな。やっぱニワトリの説明だけじゃよくわかんないし」
そう呟くと、ユマに軽くつつかれた。
「え? なんでユマにもつつかれるんだよー」
朝から大ショックだった。もう立ち直れないかもしれない。
餌をあげて、今日はポチタマメイがツッタカターと遊びに行った。ユマは俺と一緒にいてくれるらしい。すりすりしてくれるのが嬉しい。ユマはツンデレとか履修しちゃいけないんだぞー。
今日はまず「山暮らし~」の書籍を少し読み返してから畑の手入れをしたりしよう。川の様子を見てくるのでもいいな。
なんだかんだいって、山は平和だ。
一方その頃ニシ山では。
「へえ、とうとう六巻が出るんですね。webにはないシーンが盛り込まれていますし、和菓子屋で桂木姉妹にサンドされる佐野さんも見られます。イラストもあるそうですから、華やかでいいですね」
相川さんは女子に関わるのが苦手なだけで、女子を遠くから眺める分には好きだったりします。佐野君のことがお気に入りなので、佐野君が女子とわちゃわちゃしているのを見るのも実は好きなのです。
「冬の内容なのは変わりませんが、リンとテン(書下ろし)も出てくるのがいいですね。あと、今回「よその家のニワトリ」ことブッチャー氏も少し出てくるそうです。とても楽しみです」
相川さんはリンと共に山の見回りをしに行く予定です。
その前に本棚にささっている『前略、山暮らしを始めました。』1~5巻の背表紙を眺め、フッと笑みを浮かべました。
というわけで、「前略、山暮らしを始めました。」6巻が7月10日(水)に出ます。
表紙は見ていただけましたか? 今回は梅の赤! タマがとっても素敵です。近況ノートに載せておりますので是非見てください。
また、同日に「準備万端異世界トリップ ~森にいたイタチと一緒に旅しよう!~」がツギクルブックスさんから発売予定です。
合わせて読んでいただけると嬉しいです。
どうぞこれからも「山暮らし~」をよろしくお願いします。
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