祝! 「山暮らし」3巻発売記念SS「教えて相川さん! 回鍋肉の作り方」
「山暮らし~」三巻記念です! 今回は三巻に出てくる
三巻で回鍋肉を作ったのは湯本のおばさんでした。家で食べる時は市販のタレを使うこともありますが、三巻ではちょうどタレがなかったので自分で作ったそうです。
というわけで、おばさんの作り方で今回も相川さんに作ってもらいます。
作者の陰謀で、今回佐野君とニワトリたちは相川さんの山に連れてこられました。
「えっ? あれ? なんで?」
クァーッ!
すぐにどこに連れてこられたか気づいたタマが怒り、戸惑う佐野君をつつきます。
「うわっ! だからなんで俺がつつかれるんだよーっ!?」
佐野君は逃げ出しましたがタマの脚力にかなうわけがありません。三巻ともなるとニワトリたちもかなり大きく育っています。それだけでなく瞬発力も上がっています。がんばれ佐野君。
ユマはポテポテとリンに近寄り、お互い軽く頷き合いました。
「あれ? 今回も僕が料理するんです? 回鍋肉ですか。回鍋肉のメインは豚肉なので合わせる野菜はなんでもいいんですよ~。リン、テン、ポチさんたちを案内してくれ」
「ワカッタ」
「ココロエタ」
タマは佐野君をつつくのが忙しいです。テンとリンはポチとユマと共に家から離れました。もしかしたら一緒に狩りをするのかもしれません。狩りをするにしてもほどほどにしてもらいたいものです。
「そろそろタマさんも落ち着くと思いますので、回鍋肉を作っていきますね。一般的に回鍋肉といえばキャベツを使う、と考えがちですが、夏はピーマンを使ってもおいしくいただけますよ。今回はオーソドックスにキャベツを使用します。では作っていきましょう」
(材料・三、四人分)
豚肉(しょうが焼き用・豚ロース肉)……3~4枚(150g)
キャベツ……150g
しょうがのせん切り……1片分
長ねぎの斜め薄切り……10cm分
(豚肉つけ置き用タレ)
こしょう……少々
酒……大さじ1/2
片栗粉……小さじ1/2
(合わせ調味料)
しょうゆ……大さじ1/2
黒酢(お酢でも可)……小さじ1
甜麵醤(テンメンジャン)……小さじ1
ごま油……大さじ1/2
三、四人分の分量ですので、人数に合わせて調整してください。これぐらいの量だと佐野君と相川氏で軽く食べ切ります。
味付けは目安です。ご自身で調整をお願いします。(黒酢をお酢に変えると味がさっぱりした印象です)
豚肉は半分に切り、つけ置き用のタレに五分程つけておく。キャベツはひと口大に切る。
鍋にお湯を沸かし、つけ置きした豚肉とキャベツをさっと下ゆでし、水気をきる。
炒め鍋に、油と下茹でした豚肉を入れて火にかけ、油がなじんだら、合わせ調味料を入れてからめる。
更にしょうが、長ねぎを加えて炒め合わせ、下茹でしたキャベツを入れてざっと合わせ、火を止めて器に盛ってできあがりです。
「真知子さんは甜麵醤がない場合は味噌ダレを使うこともあるそうです。夏はピーマンにしたり、秋はきのこ、冬は長ネギを使ってもおいしいそうですよ。佐野さーん、できましたよ」
「あっ、ありがとうございます!」
やっとタマも佐野君をつつくのを止め、満足したらしく悠然とユマと入れ替わりました。ユマが慰めるように佐野君に寄り添います。
佐野君、デレデレです。
「佐野さん、どうぞ」
相川さんはきゅうりのたたきやピーマンの細切りを白ごまと軽く炒めたもの、サラダチキンを使ったサラダ、麻婆豆腐、トマトと卵のスープを用意してくれました。もちろんごはんは大盛りです。
「うわあ! 今回も豪華ですね!」
佐野君大喜びです。ユマもチンゲンサイを相川さんからもらってバリバリと食べ始めました。
「せっかくの三巻ですから、ちょっと奮発してみました。たくさん召し上がってくださいね」
「やったー!」
これからも「山暮らし」をよろしくお願いします。
のちほど近況ノートを上げますね~。
三巻! もうテンションアゲアゲ(死語)です!
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