第2話 橙 やっぱり、みぃちゃんと過ごしたい

認知症になったみぃちゃんは、最初は在宅でもヘルパーさんが入ってくれれば何とか生活はできていたのだけど。段々と異常行動が増えてきた。


尿取りパットを外してみたり、リハビリパンツをちぎって部屋中ポリマーだらけにしたり。とにかくいろんなことをして怒られていた。

今思えば怒っても何もならないと思うのだけど、うりたちだって人間。

大変が募れば大きな声で怒鳴ってしまう。


娘でありうりの母が前に言っていた。

『街中で見る認知症の人に怒鳴るのは虐待と一緒だ、みたいなポスターが貼ってあって、それみた時に自分も当てはまることにゾッとした』と。

でも、うりは思うのだけど・・・そのポスターだって在宅介護をしている人間にはプレッシャーでしかない。そのポスターに囚われてしまう人いると思う。

仕事と両立しながら介護をしている。頑張ってる。仕事としてなら割り切れることもある。愚痴だって言える。だけど、在宅介護は違うんだ。

少しでも愚痴を言えば『施設に預ければいい』と言われてしまう。


でも、施設には預けない理由何だったんだろうな。

短期の利用とかデイサービスとかは利用していたけど。

やっぱり、認知症になっていろんなことをされても一緒にいたかったんだろうな。


徘徊してもお刺身を味噌汁に入れて食べても、何されても大好きに変わりなかった。


介護は綺麗事だけじゃ成り立たないし、大好きと言っても怒鳴ってしまうこともあって反省の連続だったけど、みぃちゃんと離れることは考えられなかった。


多分、家族みんなね。



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天国にお嫁に行(ゆ)きます〜泣いて笑った虹色な日々〜 うり @uri_novel

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