天国にお嫁に行(ゆ)きます〜泣いて笑った虹色な日々〜

うり

第1話 赤 認知症になったみぃちゃん

みぃちゃんの家族は、娘と娘の夫と孫二人。

孫の一人は、この物語を執筆している、うりだ。


うりは幼い頃から身体が弱く、周りの子たちと外で遊ぶことが難しい子だった。

そんなうりは、自分の世界に常にみぃちゃんの存在があった。

世間一般で言う、おばあちゃん子。

うりの親、みぃちゃんの娘夫婦は働き者でうりや、うり兄の面倒を見るために故郷を離れうりたちのところに来てくれたのだ。


そのみぃちゃんの様子がおかしくなったのは、うりが中学生の頃。

家に帰ると知らない男の人が2人いた。

不思議に思ったが爽やかな笑顔で『こんにちは、お邪魔してます』と言われたら何も疑うこともせず、挨拶を返して自分の部屋に入ってしまう。


後に、布団の訪問販売だったと分かった。

もう文字も書けなかったみぃちゃんの手を取りサインを書かせたんだと思うが、あの頃は何も疑えなかった。


その数ヶ月後には、ポストに督促状が届くようになり、みぃちゃんが布団のほかにも騙されて購入してしまったものが出てきたのだ。

でも、みぃちゃんは買ったものを覚えてなくて。

クーリングオフ期間なんてとっくに過ぎてしまっていた。


なんで騙されたの?

なんで買うの?

なんで忘れるの?


たくさんの疑問がでてくるけど、病院で脳のCTを撮ったら萎縮していた。




アルツハイマー型認知症




それが、みぃちゃんの忘れてしまう・・・騙されてしまう原因だった。

そして、うりが福祉の業界を目指すきっかけでもあったのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る