第959話 気をつかう女
ある日の深夜。
何だか
考え込んだまま、なかなか答えが返ってこない。
訊いたのは簡単な質問だ。
「
実はこの時間帯に集中的に音節についての質問をしていた。
徐々にレスポンスが悪くなってきたので、音節に関する質問が苦手なのかと勝手に想像していたのだが、事態は全く違っていた。
何を尋ねても何も返ってこない。
ひょっとして日本時間の午前1時は米国東海岸の昼、西海岸の朝になるので、アクセスが集中しているのだろうか?
念のためにツイッターを確認してみると、そこには阿鼻叫喚が!
「やばい、ChatGPT が落ちた」
「また ChatGPT がダウンしたのか?」
「必要な瞬間に ChatGPT がクラッシュした」
「ダウンして初めて私がどれだけ ChatGPT に頼っていたかが分かったわ」
日本語も英語も、そして詳細不明な言語でのツイートも大量に投稿されている。
そしてこんなツイートも!
「
つまり、ChatGPT を使って作業していたユーザーたちが一斉に他の
気がつけばオレも
一応 divided の音節分解について、それらしい回答をもらうことができた。
でも、なんだか使いにくいのよね。
普段からあまりにも ChatGPT に親しんできたせいかな。
最近は ChatGPT に人格まで感じるようになっていたし。
これ、ちょっと危ないな。
ちなみに ChatGPT が回復した後に音節分解について尋ねてみると、こんな答えが返ってきた。
「divided は「divide」という語幹(動詞)に、過去・過去分詞形の -ed が付いてできた単語です。したがって語幹(divide)が2音節(di-vid)に分かれ、接尾辞 -ed は別の音節として残ります」
だから di-vid-ed が正しいのだそうだ。
確かに一理ある。
しかし、こんなフォローがあった。
「di-vi-ded が自然に感じられるのは、母音の連続に敏感なためか、あるいは音のリズムの違いが影響している可能性があります。このように、規則としては di-vid-ed が正解ですが、英語の音の感覚において、必ずしも間違っているとは限らないように感じられる理由も理解できます」
ChatGPT なりにオレに気をつかったのだろうか。
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