第790話 パターン英会話を学ぶ男 3

 本日の英文はこれ!


 I should have given birth to a girl.


「女の子を産んでおけばよかった」という意味だ。


 ある日の脳外科外来で患者の話を聞いていた時のこと。

 その初老女性はオレにこう愚痴ぐちった。


「男の子は独立したら家に寄りつかなくなってしまうから、女の子を産んでおけば良かったわ」


 そんな御無体ごむたいな!

 この人、男女の産み分けができるつもりでいるらしい。

 それとも女の子が生まれるまで3人でも4人でも子供を作りつづけるという意味なのだろうか。


 それはともかく。

"should have 過去分詞" というのは「~しておけば良かった」という意味になる。

 人生が後悔の連続だとすると、これほど良く使うパターンもほかになかろう。


「もっと勉強しておけば良かった」(留年せずにすんだ)

「もっと早く家を出発していれば良かった」(遅刻せずに済んだ)

「母親の言うことをきいておけば良かった」(無駄遣むだづかいしなかった)

「法定速度を守っていれば良かった」(スピード違反で捕まらなかった)


 もういくらでもある。

 せめてオレたちにできることは、これらすべてを英語にして暗唱する事だろう。


 I should have studied harder.

 I should have left home earlier.

 I should have listened to my mother.

 I should have kept the legal speed limit.


 後悔という事であれば「~しておけば良かった」よりも「~しなければ良かった」の方が多いかもしれない。

 そっちは次回に述べたい。

 だから今回はひたすら「~しておけば良かった」シリーズだ。


「彼女と結婚しておけば良かった」(ごのみしすぎて今も独身だ)

「手術に踏み切っていれば良かった」(躊躇ちゅうちょしている間に患者の状態が悪化してしまった)


 後の方はオレの立場での話だ。

 脳外科ってのは手術に踏み切るか否かで悩むことが良くある。

「手術しておけば良かった」ということもあるし「手術しなければ良かった」という事もある。

 要するに「どこまで攻めるか」のちから加減の問題だ。

 だから「思い切って手術しておくべきだった」と後悔する事も多々ある。


 それと "should have" は「シュドゥヴ」とか、もっと縮めて「シュダ」と発音されがちだ。

 YouTube のニック式英会話「英語 リスニング:この英語聞き取れるかな?(#7)」にこれらの短縮発音についての解説が出て来る。


 というわけで、第3号の使える英文!


 I should have given birth to a girl.


「女の子を産んでおけば良かった」という意味の英文をそのまま使う機会もないと思うけど、使いそうな口慣らし用のものも加えて7文まとめて並べておこう。


 I should've given birth to a girl.

 I should've studied harder.

 I should've left home earlier.

 I should've listened to my mother.

 I should've kept the legal speed limit.

 I should've married her.

 I should've performed the surgery.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る