第783話 筋トレする男

「【衝撃】年配になると『ジム』に行き始める理由がコチラ……」というネットの書き込みがあった。


 ネット民の回答は……


「意識的に運動しないと常に体調悪くなるから仕方なくやってんだ」


「加齢で代謝たいしゃが下がると身体がサボるんですよね。できるだけ筋力使わないように、歩く時も足があんまり上がらなかったり」


「これモテたいからやってんでしょうみたいな意見も見たことあるけど、そんな高いレベルじゃ無いんですよね」


「不眠症になってしばらく寝たきりみたいな状態を経てからつねにデバフかかるようになったんだけど、筋トレ再開したら体調安定してきたもんな」


 ちなみにデバフはゲーム内のキャラクターのステータスが一時的に低下することを言い、英語の buff(磨く)の反対の意味なのだそうだ。



 分かるよ!

 分かり過ぎるくらい分かる。


 若い時は何もしなくても体調は良い。

 しかし、年を取ると努力していないと体調が悪くなってしまう。

 その結果、ジムに行くことになる。


 何年か前、オレもジムで泳いでいた。

 会員になっていたわけではない。

 行くたびに使用料を払っていたのだ。


 500メートルとか1キロとか。

 よく憶えていないが、だんだん泳げる距離が延びていった。

 そして目に見える成果といえば、バランスが良くなった事だろうか。

 立ったり歩いたりしてもふらつかない。

 両足で地面をしっかりホールドしている感覚があった。


 が、悲劇は突然起こった。


 オレの通っていたジムが閉鎖になってしまったのだ。

 ジムの入っていた宿泊施設が丸ごとなくなった結果、オレの水泳生活も幕を閉じてしまった。


 だから今は家で筋トレをしている。

 目的は以下の2つだ。


 筋肉量を増やして基礎代謝を上げて体重を減らす。

 筋トレそのものがカロリー消費になる。


 加えて、何らかの運動を意識的にやらないと体調を維持できない、というのもあるんだろうな。

 最近は強くそう思うようになった。


 問題はどんな筋トレをするか、どうやって継続するか。

 そいつが問題だ。


 で、オレが考えたのは低強度ていきょうど高頻度こうひんど法。

 英語では low-impactローインパクト high-frequency ハイフリックエンシーというそうだ。


 具体的には16回でワンセットのスクワット。

 オレにとっては低強度だ、息が切れるほどでもない。


 これを1日3食の前後に1セットずつやると合計6セットになる。

 スクワットの回数にすると、ほぼ100回だ。


「毎日スクワットを100回やっています」といえば、なかなかのもんだと思う。


 同じようにしてカーフレイズ、いわゆるつま先立ち運動。

 こいつは1セットが32回だから、1日6セットとすると合計200回だ!

 素晴らしいじゃないか。


 スポーツ理論として、高強度低頻度が良いのか低強度高頻度が良いのか、という論争もあるのだろう。

 まあ目的によってどちらが効果的かも違ってくるんじゃないかと思う。


 1つ言えることは、全くやらないよりは何らかの筋トレをやるべきじゃないかということだ。


 そうそう、もう1つ筋トレの効能を忘れていた。


 筋トレによって多少は心肺機能も良くなるんじゃなかろうか、と思う。

 というのは、ちょっと階段を昇っただけでも息が切れたりするわけだが、これが少しは楽になるかもしれない。

 体重減少によって負荷が減るのと、心肺機能が良くなって楽に階段が昇れるというのも期待しよう。


 何よりも大切なのが健康だと思う。

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