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2024年3月15日 09:55
私も「自律神経失調症」という病名はつけません。ただ、Hot Flushや手足の冷えなど、「西洋医学」のアプローチでは解決が難しい問題があるのは確かだと思います。器質的疾患の除外が前提ですが、そういったものがなければ、「漢方」のアプローチを試してみることは多いです。ただ一方で「漢方」を得意と「自認」している医師の多くは、患者さんに複数の「保険診療で処方可能」な漢方薬を処方していますが、それぞれ「名前のついた製剤」はそれぞれが複数の生薬を混ぜたいわゆる「約束処方」です。そこを考えずにたくさんの漢方薬を処方して、使われている生薬がダブってしまっている、なんてこともよく見かけます。「西洋医学」のアプローチよりも「漢方」のアプローチが有効そうな方は、「漢方」の身体診察学も考慮して診察し、使い慣れた漢方薬(私は数種類程度しかありませんが)から1剤だけ追加する、という事にしています。「医学」ではなく「医療」は「結果オーライ」なので、自身の「西洋医学」の核を確立したうえで、補助的に別のツールを適切に使う、ということで勉強していく、というのは意味があると思います。「追いかけられない勉強」ほど、高尚な趣味(もちろん良い意味で)はないだろうと私は思います。
作者からの返信
漢方はそれ自体がポリファーマシーなので、私も使うとしても精々が1種類だけです。脳外科領域では慢性硬膜下血腫に五苓散を使う事が多いですね。「追いかけられない勉強」は最高の道楽だと思います。
2024年3月15日 08:22
自律神経失調症とか心不全とか、「なんだか理由がワカラン」という時に…
心不全は循環器内科の三大領域(不整脈、虚血、心不全)の1つなので立派な疾患だといえますが、自律神経失調症ってのは根拠なくつけられる病名の1つですね。
私も「自律神経失調症」という病名はつけません。ただ、Hot Flushや手足の冷えなど、「西洋医学」のアプローチでは解決が難しい問題があるのは確かだと思います。器質的疾患の除外が前提ですが、そういったものがなければ、「漢方」のアプローチを試してみることは多いです。
ただ一方で「漢方」を得意と「自認」している医師の多くは、患者さんに複数の「保険診療で処方可能」な漢方薬を処方していますが、それぞれ「名前のついた製剤」はそれぞれが複数の生薬を混ぜたいわゆる「約束処方」です。そこを考えずにたくさんの漢方薬を処方して、使われている生薬がダブってしまっている、なんてこともよく見かけます。
「西洋医学」のアプローチよりも「漢方」のアプローチが有効そうな方は、「漢方」の身体診察学も考慮して診察し、使い慣れた漢方薬(私は数種類程度しかありませんが)から1剤だけ追加する、という事にしています。
「医学」ではなく「医療」は「結果オーライ」なので、自身の「西洋医学」の核を確立したうえで、補助的に別のツールを適切に使う、ということで勉強していく、というのは意味があると思います。
「追いかけられない勉強」ほど、高尚な趣味(もちろん良い意味で)はないだろうと私は思います。
作者からの返信
漢方はそれ自体がポリファーマシーなので、私も使うとしても精々が1種類だけです。
脳外科領域では慢性硬膜下血腫に五苓散を使う事が多いですね。
「追いかけられない勉強」は最高の道楽だと思います。