応援コメント

第626話 排尿時痛の男 1」への応援コメント

  • 応援コメント欄も大変興味深く拝見しています。
    実際の治療に関して今回も勉強になりました。
    ありがとうございます。

    作者からの返信

    エンタメでありながら勉強にもなる一石二鳥が私の目指すところです。
    もし、こんなテーマを語って欲しいというリクエストがありましたら、遠慮なくどうぞ。

  • 病歴を聞くと、確かに私の鑑別診断でも、急性前立腺炎が第一に挙がります。

    急性前立腺炎で、「直腸診」そのものは「禁忌」ではありません。もちろん、炎症を起こしている前立腺を何度も「グリグリ」触るのは良くないと思いますが。

    高熱の患者さんの直腸診をすると、指全体に熱感を受けますが、急性前立腺炎の場合は特に12時の方向(前立腺のある方向)に強い熱感があります。前立腺のある12時方向に指を向け、表面を触って「前立腺」だと確信したら、「一度だけ」前立腺を軽く押さえます。急性前立腺炎なら、ひどく痛がります。何度も「ギューギュー」と押さえてはいけません。1回だけです。急性前立腺炎の「直腸診」はそれだけを確認すれば十分です。

    ご存じかと思いますが、急性前立腺炎ではPSAがかなり上昇します(PSAの正体が何か、を考えれば当然のことですが)。診断の一助になると思います。

    私の経験した急性前立腺炎の一人は、炎症が骨盤腔内に波及し、直腸周囲にも炎症を起こしたため、強い尿意、強い便意、排尿困難で苦しまれました。泌尿器科に依頼し、一時的に膀胱瘻を作っていただいたことを覚えています。

    抗生剤はおっしゃる通り、ニューキノロン、もしくはST合剤が推奨されています。炎症を起こしているときはβーラクタム系抗生剤も組織透過性が亢進する、という話もあり、その話をご存じなのかどうかは別ですが、セフトリアキソンなどを使われる先生もおられるのは事実ですが、私の中ではニューキノロン一択です。起因菌はグラム陰性桿菌が多いので、レボフロキサシンだけでなく、シプロフロキサシンでもよいかと思います。

    しかし、このような形で話が提示されたので、一筋縄ではいかないのだろうと推測しています。陰茎の蜂窩織炎などで、尿道に炎症が波及し、排尿時痛があるのか、陰茎の蜂窩織炎とくれば、Fournier gangraneがくるのか、と想像しています。

    研修医への「急性前立腺炎の患者さんへの直腸診」は上記の指導でよいと思います。機会があれば、どうぞご指導ください。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。
    実は何のヒネリもない症例ですが、診たことのない疾患に遭遇した時の心境を描かせていただきました。
    次に機会があったら直腸診をやってみようと思います。

    編集済