第581話 身体中が痛い男

 ずいぶんぐっすり寝た。

 過去1ヶ月で1番良く眠ったかもしれない。


 夜中に1度もトイレに起きなかった。

 身体のあちこちが痛いが、謎の達成感で満たされている。


 ん?

 達成感って英語でなんというのだろうか。

 ちょっと調べてみた。

 ”a sense of accomplishment" あるいは "a sense of achievement" か。


 なるほど、憶えておこう!



 さて、よく眠れた原因を考えてみる。

 ずばり、散歩と筋トレだろう。


 最近、夕方に散歩する事が多い。

 主に家の近所を歩いている。

 立派な一軒家が続く道を歩いていると、自分までリッチマンになった気がする。

「もし建てるなら、こういうデザインの家がいいな」とか、「こんな大きな家に住む人はどんな仕事をしているんだろうか、ひょっとして作家だろうか」とか。

 想像は尽きない。


 散歩する時は YouTube をイヤホンで聴く事が多い。

 昨日は歩いている最中に思わず吹き出してしまった。

 ちょど前から人が歩いてきたので「変に思われたりしなかっただろうか」と心配になった。

 あまりにも可笑おかしな YouTube だったけど、その内容については改めて紹介したい。


 軽く散歩に行くためには、何も考えずに出発しなくてはならない。

 いちいち着替えたりせず、部屋の格好のまま雪駄せったを履いて出掛ける、それがコツだ。

 気持ちよく歩くためには、ゴチャゴチャした所よりも道が綺麗に掃除されている豪邸街の方がいい。

 森の中を歩くとフィトンチッドを浴びることができるように、豪邸街を歩くと金持ち精気を浴びることができるんじゃないかと思う。


 近所を1周歩いて40分ほどだろうか。


 ほどよく疲れて風呂に入る、あるいは原稿の続きを書く。


 その合間を縫って筋トレをする。

 こちらも散歩に劣らず試行錯誤を重ねてきた。


 現在やっているのはスクワットとカーフレイズ(踵上げ)、腕立て伏せだ。

 どれも自分で軽く号令をかけながら行う。

 必然的に息を吐きながらの筋トレになる。

「息を吐きながら」というのは、色々な筋トレの教科書でその必要性が強調されている。

 医学的解釈をすれば、頭蓋内圧ずがいないあつが上がらない、ということなのかもしれない。


 号令は中学生の時から12年間やってきた卓球部方式だ。

 1、2、3、4  5、6、7、8

 2、2、3、4  5、6、7、8

 3、2、3、4  5、6、7、8

 4、2、3、4  5、6、7、8


 自分で号令をかけながらスクワットなら16回を1セット、カーフレイズなら32回を1セット行う。

 腕立て伏せは床でやるのはキツイので、机の縁とか壁に手をついて負荷を減らしている。

 こちらも16回1セットだ。


 これも「さあやるぞ」と決意してやるのではない。

 唐突に始めるのが長続きのコツだ。


 そして「毎日5セット、自分との戦いだ」とも思わない。

 最低1日1セットはやるが、それ以上は適当だ。

 2セットする日もあれば、朝昼晩と寝る前の合計で4セットになる日もある。

 筋肉を鍛えるというよりも、気分が前向きになる、眠気が吹っ飛ぶ、という効能の方が大きい気がする。


 とにかく、散歩と筋トレとをやってから風呂に入って床にくと、ぐっすり朝まで眠れた。

 軽い筋肉痛と達成感で目覚める朝は最高だ。

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