第520話 総評を読む男

 そういや、発表は9月末だったかな?


 そう思って確認してみた。

 第30回電撃文庫大賞の結果を。


 実は「診察室のトホホホホ」で応募していたのだ。


 ホームページを見ると応募総数4,467作品とある。

 なんともすごい数だ。

 うち、長編が3,329作品、短編が1,138作品。

 その下に第1次選考通過作品が並んでいる。


 なんと、すでに7月10日に発表されていた!

 知らんかった。


 で、長編部門は159作品が通過している。

 残念ながら「診察室のトホホホホ」の名前は見当たらない。

 大賞どころかかすってもおらず、まさしくトホホな状態になってしまった。


 3,329から159が選ばれたのだから、だいたい21分の1になる。

 通過作品リストの中には1人で2つ通っている人もいた。

 たいしたもんだ。


 どのような作品が通過しているのか、タイトルから推測してみる。

 色々なキーワードで159作品を検索してみた。


 魔(魔法、魔術、魔王など) 11作品

 ヒーロー 5作品

 異世界 4作品

 ネクロマンサー 2作品

 転生 1作品

 ダンジョン 1作品

 令嬢、ざまぁ 0


 異世界転生、悪役令嬢、ざまぁ系など、ライトノベルの王道は案外少ない。

 3行にも及ぶタイトルもチラホラ見る程度だ。

 通過作品にはむしろ個性的なタイトルが並んでいる。


 現在の流行より1歩先を進んでいるものが評価されているのかもしれない。



 さて、自らの敗因をかえりみよう。


 まず、応募先がジャンル違いだったのではないか、という気がする。

「トホホ」にぴったりのジャンルが何になるのかは難しいが、どう考えても中高校生向けのライトノベルとは言えない。

 だったら、他のコンテストに応募するか。


 そう思いながら前回の電撃文庫大賞の選考委員総評を読んでみた。


 選考委員のコメントを少し引用させてもらう。


「例年に比べエンタメ系より純文学寄りの作品が多く最終選考に残っていたというのが個人的な印象です……その割に心を揺さ振られる瞬間は少なかったように思います」


「電撃小説大賞は、面白ければ何でもあり。ハッとするような着想や、予想もできない驚き、読後放心してしまうほど心動かされるエンターテインメント小説を、来年も楽しみに待っています」


 ほほう、面白ければ何でもありですか。

 心をりさえすればいいんですね。


 ジャンルなんか関係ないみたい。


 上等だ。

 やってやろうじゃないか。

 来年4月10日の電撃文庫大賞締め切りに合わせて対策しよう。

 もうね、こうなったら本気出しちゃうよ。

 悪いけど賞金300万円も貰っていくから。


 というか……

 前回の選考委員総評くらい応募する前に読んでおけよ。

 こういうところがダメなのね、オレって。



 というわけで読者の皆様。


 ある日突然、エピソードの並びやタイトルが変わることもあるかもしれませんが、御理解いただければ幸いです。

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