第512話 「竹田くん」を追う男

 以前に「第448話 『竹田くん』を読む男」で紹介した4コマ漫画「脳外科医 竹田くん」。


 当時、漫画は「竹田くん」シリーズの第93話に差し掛かったところだった。


 赤池市民病院に赴任してから多くの医療事故を起こした竹田くん。

 結局、執刀禁止の後に退職せざるを得なくなってしまった。


 新しく赴任した病院では何をしでかしてくれるのか。

 オレが興味を持ったのはそこだったが、話は赤池市民病院のところで止まっていた。


 市民病院では新しい院長が記者会見を行い、学会認定が取り消された。


 そこで学会認定を再開してもらおうと赤池市の市長が学会とトップ会談をしたのだとか。

 そもそも日本脳神経外科学会は「そこを何とかお願いします!」が通じない組織だ。

「事故を1例ずつ検証すること」という条件を愚直にクリアして初めて検討のまな板に乗せてもらえる。

 いつの間にか風化するのを待つ、という作戦も無力だ。

 このまま行ったら10年経っても認定再開はないだろう。


 結局、竹田くんが去っても漫画の方は赤池市民病院と学会認定の話に終始している。

 オレは赤池市民病院を辞めた後の竹田くんの活躍の方を知りたかった。


 にもかかわらず、漫画は数日前に第142話にて一旦終了してしまった。

 続編の製作時期は未定なのだそうだ。


 残念!


 業界の噂によると、竹田くんは大阪の某病院の救急部で働いていたそうだ。

 そこでも色々やらかしてくびになり、今は別の病院でひっそりと働いているとのこと。


 最後に秘密情報を1つ。


 リアル竹田くんを知っている先生に「本当に漫画のとおりなんですか?」と尋ねてみた。

 返ってきたのは「いや、あんなイケメンじゃねえよ」とのお言葉。


 オレとしてはイケメンかどうかよりも医師としての行いの方を知りたかったんだけど。


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