第420話 天皇陛下の本を持つ男

今日、ニュースを聴いていたら今上天皇きんじょうてんのうがお書きになった「テムズとともに」という本が紹介されていた。

なんと30年ぶりに復刊されたのだ。


最初に出版されたのは平成5年2月23日。

オレは平成5年7月15日に発行された第3刷を持っている。


その表紙には

「テムズとともに 英国の二年間 徳仁親王著 学習院教養新書7」

とある。


電子書籍全盛の現代においても実物で持っておく価値のある本だと思う。

アマゾンでは古本で29,980円とか49,980円とかいう値段がついている。

30年前にオレが書店で買ったときには600円ぐらいだったかな。

本のどこにも値段が表示されていないので記憶に頼るしかない。

当時は「定価」ではなく「頒価はんか」という言葉が使われていた。


ニュースでは本の中のいくつかのエピソードに触れていた。

確かに印象深いものばかりで、これらはオレもよく憶えているものだ。


改めて本のページをめくってみる。


すると、陛下が初等科の低学年の時に赤坂御用地の中で「奥州街道」と書かれた標識をみつけて大変興奮されたというエピソードがあった。

立場上、外出が制限されていた事から、道や川のような交通の媒介に特別な興味をもっておられたであろうことは想像に難くない。


もっと色々読んでみたいが、何しろ30年も前の本なので、ちょっと触っただけでバラバラになりそうだ。

だから、復刊された方の「テムズとともに」を電子書籍で購入して読み直してみようかと思う。


ちなみに復刊された「テムズとともに」の方はアマゾンで本のランキング6位だ。

かの村上春樹氏の「街とその不確かな壁」が4位なので、相当に売れていることになる。


陛下が20代の頃、異国の地で自由を満喫した2年間の瑞々しい文章は物語としてもよくできていると思う。


カクヨム読者にもお勧めしたい。

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