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2023年4月22日 15:28 編集済
先生、お疲れさまでした。私も後期研修医時代に、トロポニンTとCPK上昇、左前胸部痛に騙された気腫性胆嚢炎の症例を経験しました(内科地方会に出しました)。80代の男性で、当時は「禁忌」とされていたLMTにステントが入っている、糖尿病コントロール不良な方でした。循環器内科ローテート中にかかわって以来、何となく主治医みたいな形になっていました。第0病日、腹痛を主訴にERを受診。腹部CTで胆嚢はintact、横行結腸が浮腫状に腫れていて、炎症反応高値、放射線科医は「部位は非典型的だが虚血性腸炎を疑う」と所見がついており、消化器内科ローテート中の私が主治医となりました。第3病日、患者さんが左前胸部痛を訴え冷や汗をかき始め、採血を確認するとトロポニンTの上昇とCPK、LDHの著増を認めましたが、心電図、心エコーは異常を認めず。循環器内科の先生に共観をお願いしました。第4病日の採血ではさらにトロポニンの定量値、CPK、LDHが上昇していましたが、心電図変化はありませんでした。この間、炎症反応高値が続いていましたが、腸炎に由来するものだと思っていました。第5病日、腸炎followのため腹部CTをオーダーしていましたが、その日、外来などで忙しく、21時ころにようやくCTを確認し、びっくり仰天しました。見事な気腫性胆嚢炎でした。帰りかけの消化器内科部長に泣きつき、放射線科のスタッフとともに、PTGBDを挿入。その後は左前胸部痛消失、2日後の血液検査ではトロポニン陰性でした。敗血症による心筋ダメージでトロポニンが陽性になるようです。Coronaryの高リスク患者さんだったこともあり、見事に騙されたことを覚えています。
作者からの返信
確かに敗血症によって心筋の微小循環が悪化してトロポニンTが高値となった、と考えれば話が合います。逆に言えば「トロポニンTが高値なら敗血症も疑え」としてもいいかもしれません。腎不全によるトロポニン高値は良く耳にしますが、敗血症によるトロポニン高値も知っておく必要がありそうです。色々な意味で興味深い症例、コメントありがとうございました。
編集済
先生、お疲れさまでした。
私も後期研修医時代に、トロポニンTとCPK上昇、左前胸部痛に騙された気腫性胆嚢炎の症例を経験しました(内科地方会に出しました)。
80代の男性で、当時は「禁忌」とされていたLMTにステントが入っている、糖尿病コントロール不良な方でした。循環器内科ローテート中にかかわって以来、何となく主治医みたいな形になっていました。
第0病日、腹痛を主訴にERを受診。腹部CTで胆嚢はintact、横行結腸が浮腫状に腫れていて、炎症反応高値、放射線科医は「部位は非典型的だが虚血性腸炎を疑う」と所見がついており、消化器内科ローテート中の私が主治医となりました。
第3病日、患者さんが左前胸部痛を訴え冷や汗をかき始め、採血を確認するとトロポニンTの上昇とCPK、LDHの著増を認めましたが、心電図、心エコーは異常を認めず。循環器内科の先生に共観をお願いしました。
第4病日の採血ではさらにトロポニンの定量値、CPK、LDHが上昇していましたが、心電図変化はありませんでした。この間、炎症反応高値が続いていましたが、腸炎に由来するものだと思っていました。
第5病日、腸炎followのため腹部CTをオーダーしていましたが、その日、外来などで忙しく、21時ころにようやくCTを確認し、びっくり仰天しました。見事な気腫性胆嚢炎でした。
帰りかけの消化器内科部長に泣きつき、放射線科のスタッフとともに、PTGBDを挿入。その後は左前胸部痛消失、2日後の血液検査ではトロポニン陰性でした。
敗血症による心筋ダメージでトロポニンが陽性になるようです。Coronaryの高リスク患者さんだったこともあり、見事に騙されたことを覚えています。
作者からの返信
確かに敗血症によって心筋の微小循環が悪化してトロポニンTが高値となった、と考えれば話が合います。
逆に言えば「トロポニンTが高値なら敗血症も疑え」としてもいいかもしれません。
腎不全によるトロポニン高値は良く耳にしますが、敗血症によるトロポニン高値も知っておく必要がありそうです。
色々な意味で興味深い症例、コメントありがとうございました。