応援コメント

第417話 自分で自分を誉める男」への応援コメント


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    先生、お疲れさまでした。

    私も後期研修医時代に、トロポニンTとCPK上昇、左前胸部痛に騙された気腫性胆嚢炎の症例を経験しました(内科地方会に出しました)。

    80代の男性で、当時は「禁忌」とされていたLMTにステントが入っている、糖尿病コントロール不良な方でした。循環器内科ローテート中にかかわって以来、何となく主治医みたいな形になっていました。

    第0病日、腹痛を主訴にERを受診。腹部CTで胆嚢はintact、横行結腸が浮腫状に腫れていて、炎症反応高値、放射線科医は「部位は非典型的だが虚血性腸炎を疑う」と所見がついており、消化器内科ローテート中の私が主治医となりました。

    第3病日、患者さんが左前胸部痛を訴え冷や汗をかき始め、採血を確認するとトロポニンTの上昇とCPK、LDHの著増を認めましたが、心電図、心エコーは異常を認めず。循環器内科の先生に共観をお願いしました。

    第4病日の採血ではさらにトロポニンの定量値、CPK、LDHが上昇していましたが、心電図変化はありませんでした。この間、炎症反応高値が続いていましたが、腸炎に由来するものだと思っていました。

    第5病日、腸炎followのため腹部CTをオーダーしていましたが、その日、外来などで忙しく、21時ころにようやくCTを確認し、びっくり仰天しました。見事な気腫性胆嚢炎でした。

    帰りかけの消化器内科部長に泣きつき、放射線科のスタッフとともに、PTGBDを挿入。その後は左前胸部痛消失、2日後の血液検査ではトロポニン陰性でした。

    敗血症による心筋ダメージでトロポニンが陽性になるようです。Coronaryの高リスク患者さんだったこともあり、見事に騙されたことを覚えています。

    作者からの返信

    確かに敗血症によって心筋の微小循環が悪化してトロポニンTが高値となった、と考えれば話が合います。
    逆に言えば「トロポニンTが高値なら敗血症も疑え」としてもいいかもしれません。
    腎不全によるトロポニン高値は良く耳にしますが、敗血症によるトロポニン高値も知っておく必要がありそうです。
    色々な意味で興味深い症例、コメントありがとうございました。