「事実は小説よりも奇なり」というわけではありませんが、私が後期研修医時代にERから入院依頼のあった80代女性の話です。
前日就寝までは普段通りの生活をしていたADL fullの方。いつもAM5時くらいに起きてくるのが9時を過ぎても起きてこず、様子を見るといつもとおかしい、とのことで救急搬送。ERボスから「お前、ちょっと降りてきてくれるか?」と怖い呼び出しの電話が。
ERに行くとボスから、「広範な脳梗塞やけど、画像を見てくれるか?」とのこと。ボスと一緒に画像を見ると、左前大脳動脈の還流領域以外すべてが梗塞を起こしていました。
「わしも、こんなの診たことがないわ。というわけで、総合内科で入院よろしく!」とのこと。
予後は不良とわかるので、大動脈解離が明確にわかるかどうか、胸部単純CTを確認しましたが、単純CTでは上行大動脈~弓部~下行大動脈まで、flapはなさそうでした。仮に大動脈解離が原因だとしても、ならどうして左前大脳動脈の血流だけが維持できているのか謎です。ERのモニタでは心拍は洞調律でした。
いまだに、何が起きたのか思いつかない患者さんの思い出です。
作者からの返信
コメントありがとうございました。
右内頚動脈閉塞と左中大脳動脈閉塞の合併でしょうか?
全く違う領域の梗塞なので、心原生塞栓と考えるのが自然だと思います。
ただ、そうすると心拍が洞調律というのが矛盾してしまうわけで……
なかなか考えさせられる症例ですね。
3分以内のプレゼン。気を付けています。
今、年に1回の脳神経外科では異常事態が起きない限り、「今年も特に問題ありませんでした」
の一言。
先生の方は診察前に撮影したMRIと去年のを比較して「大丈夫そうだね」
特に気になる事は事前にメモを取って質問をする程度。
後は来年の予約でちょっと時間がとられるけど、その作業も早く良い日が決まれば全体で5分はかけてないかな。
一応脳の手術の経過で年に1度見てもらうだけで済んでいるし、異常さえなければこんな感じです。
心療内科も診察は月に1回ぐらいなので
先生「はいこんにちは。どうですか?」
私「相変わらず熟眠障害ですけど、なんとかやれてるので大丈夫です」
先生「じゃあお薬はいつものままでいいですか?」
程度。
問題さえなければ余談する事はない分、問題があればしっかりと聞いて貰う。
通院歴が長いとこんなもんですよね。
作者からの返信
その通り、やはり診察にはメリハリが必要だと思います。
体調がいい時には短く。
なにか不具合があった時には時間をとって。
そうすると「〇時間も待たされた」ということもなくなってお医者さんも患者さんも機嫌よく過ごせますね。