応援コメント

第395話 安請け合いする男」への応援コメント


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    ヒヤヒヤものですね。

    後期研修医の総合内科時代、よく似たような思い出があります。

    60代男性。前日から右の腰背部痛と血尿が出現。以前の尿管結石と同様の痛みだったので、泌尿器科外来を受診。待合室で具合が悪くなり、shaking chillと40度の発熱。低血圧が出現したので、患者さんはERに移動。

    ERで評価し、右尿管結石に伴う複雑性尿路感染症と診断。そこまでは良かったのですが、1日1回のCTRX点滴と500ml/日の点滴指示を1日分のみ入力し、アナウンスなく、総合内科に入院としていました。

    ERボスは抜き身の日本刀のように、痩せているけど怖い人でしたが、入院を挙げるときには律義に「おう、ERやけど、(年齢、性別、経過)の患者さん、今から総合内科に入院させるから、後はよろしく」と必ず連絡をくれるので、入院指示はERボスではなかったようでした。

    それだけの指示で病棟に上がっており、当然のことながら敗血症性ショックのため全身状態不良。当直帯も含め、病棟に上がった後尿も出ていませんでしたが、看護師から、内科当直医への連絡もありませんでした。

    翌朝の振り分けカルテ回診で、私がその患者さんを発見。「この人、死んでしまうやん!」と、ほかの人々のいい加減さに腹が立ちましたが、「じゃあ主治医は?」となると、ほかに適任はおらず、チーフレジデントだった私が「俺が診るわ」という事で主治医になりました。

    慌てて患者さんの回診に行くと、バイタルの割には元気でした。泌尿器科部長に相談し、「総合内科主科、泌尿器科共観」という形で患者さんをICUに入れました。

    血液検査で、shock liverだと思いますが、AST、ALTとも5桁、というのはこれまでの医師経験の中でもこの人だけでした。泌尿器科が手術室でD-Jカテーテルを挿入しようとし、全麻を掛けると血圧50台となり、手技は中断となりました。カテコラミンサポート、大量輸液で管理し、全身状態が改善し、後日安全にD-Jカテーテルを挿入、患者さんも元気になり、歩いて帰ることができました。

    総合内科、設立した先生が退職後は、一応師匠がトップにいるのですが、現実は後期研修医、初期研修医で回していました。立場は内科後期研修医でしたが、実質、総合内科の若頭として、「ゴミ箱的仕事」も含め「ひいこら」とたくさんの症例を経験したことが、今にも生きていると思っています。

    他科が全身管理で困っているときは、「マイナー科主科・総合内科共観」あるいは「総合内科主科・マイナー科共観」という形で仕事をしていたのを思い出しました。

    作者からの返信

    共観としてマイナー科の全身管理のお手伝いをするのも総診の立派な仕事の1つだと思います。
    御苦労さまでした。