第352話 職業を選択する男

人は何を基準に職業を選べばいいのか?


よく言われるのが「好き」、もしくは「得意」だ。


YouTuber などが言うのは「好きな事をして稼ぐ」というもの。

確かに時間を忘れるほど楽しい事が仕事なら、それ以上にハッピーな事はない。


一方、東進ハイスクールの林修はやしおさむ先生は「好き」より「得意」を取れ、と言っている。

林先生自身は予備校講師なんか好きでも何でもないらしい。

でも、誰よりも上手くできるのでやっているのだそうだ。


ちなみに現在は国語の先生だが、元々は英語を教えていたとのこと。

でも、英語は名物講師が多すぎて埋もれてしまう。

だから、数学を教えることにした。

ところが数学もカリスマ講師だらけ。

そこでライバルの少ない国語を教えることにしたら大当たり。


「好き」より「得意」を優先する林先生らしいエピソードだ。

それにしても英語がダメなら数学、数学がダメなら国語って、どんな多才な!

さすが東大卒。



さて、職業選択の基準は「好き」と「得意」だけだろうか。


オレは他に少なくとも2つはあると思っている。


むくわれる」と「意味がある」という事だ。


「報われる」というのは、頑張ればそれだけの評価を受ける、というものだ。

英語では rewarded という。

他人から賞賛されるというのもその1つだろう。

多額の収入を得ることができるというのも報われる事に入る。


他人からの評価が「報われる」なら、自分自身の評価が「意味がある」というものだ。

人のためになるという仕事、社会に貢献しているという実感。

そうい仕事なら勤労意欲もこうというものだ。


ということで、「好き」「得意」「報われる」「意味がある」の4つの軸で職業を選択すればいいと思う。



何でまた急にこんな事を言い出したのか?

先日、手術室でレジデントに言われたからだ。


「脳外科って厳しいし、こわいけど……甲斐がいは無茶苦茶ありますね」


疑う余地のない真実だと思う。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る