第306話 初夢の意味を考える男

 一般に初夢というのは元日の夜から2日の朝の間に見る夢とされる。

 が、1年の最初の夢を初夢というなら、元日の朝起きる時に見た夢でいいんじゃないかと思う。


 オレの場合、寝床で手品の YouTube を見ていたらいつの間にか深夜零時を回っていた。

 だから眠りについたのは正確に言えば2023年の元日だ。

 そして、朝5時半頃に目が覚めた。


 目覚める前に見ていた、いわゆる初夢というのも奇妙なものだった。



  夢の中でオレはひたすら職場の掃除をしていた。

  そうしたら健康診断を受けろという通知が来た。

  なんでも見知らぬ土地でオレが開業する事になっているらしい。

  妻が勝手に決めていたみたいだ。

  とにかく時間に間に合わなくては、と思って出かける準備を始める。

  が、その前に大量のペットボトルを捨てなくてはならない。

  焦っていたら上司がやってきた。

  上司には片麻痺があったので、靴を履くのを手伝った。

  なぜかオレは歯磨き粉を買い漁ったが、家に同じ物が沢山あった。



 わけの分からないストーリーだが、夢というのはいつも複雑怪奇だ。


 妻が勝手に開業を決めて、オレが合わせるというのも変な気がする。

 もしかすると妻自身が開業すると言う意味だろうか。

 しかし、健康診断の通知はオレあてに来ていた。


 無理に辻褄を合わせるなら、妻が院長でオレが雇われかもしれない。


 それはあるかも。

 オレの知り合いで少なくとも3組はそんな夫婦がいる。


 奥さんが開業医で旦那が勤務医という組み合わせなんか無数だ。

 現役時代、すでに奥さんの収入が旦那の3倍を超えてしまう。


 そして、引退した旦那が奥さんのクリニックで働くことになる。

 かくして奥さんが院長で旦那が従業員という組み合わせは増える一方。


 今のところ、ウチはそんな事は起こりそうにない。

 しかし、人生100年時代、未来に何が待っているかは予測不能だ。


 ま、何があってもその状況を楽しみ、カクヨムのネタにするってのがオレに向いた生き方かもしれないな。

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