第217話 アメリカン・ドリームの男 3
米国での
ある日、ジャックがアメリカン・フットボールを見に行かないかと誘ってきた。
ジャックの母校であるハーバード大学とイェール大学の試合だ。
いうまでもなく全米で最も有名な2つの大学だ。
「ノーベル賞の数を争うんじゃなくて、アメフトかよ!」ってオレは思いつつも、ジャック夫婦と観戦に出かけた。
驚いたのはハーバードのチアリーダー。
チアガールに混ざって小太りの男子学生まで飛んだり
思わずオレは説教したくなった。
「天下のハーバードまで来て、何でまた
でも、彼は彼で思うところがあるのだろう。
オレみたいな凡人には
どっちが勝ったかは
帰りに寿司を食べながらジャックがオレに
「医学部の学生に
「教えるって、ハーバード大学でか?」
「そうだよ。解剖の実習だ」
おいおい、あのハーバードの学生たちに、オレが教えてもいいんかい!
そう思う一方で興味もあった。
どんな天才や秀才たちが集まっているのか。
ということで、オレはジャックについて実習室に行ったわけ。
「ここは人間動物園か!」ってのが第一印象。
白人男子学生がほとんどだろうというイメージを持っていたら全然違っていた。
白人、黒人、アジア人……あらゆる人種が混ざっている。
そして女子学生の方が多い。
初めてマイノリティーが半数を超え、女子学生が半数を超えた年だったそうだ。
そして皆さん、超優秀な上にナイスガイばかりだ。
無理にそう
頭が良くて、礼儀正しく、そして努力を
いくら勉強ができても
でも、よく出来る上にナイスな人達に対してはどうしたらいいわけ?
もう「御免なさい」以外の言葉が見つからなかった。
ジャックは最初の1~2回だけやって来たが、その後は姿を見せない。
なので、その後の数回、オレは単独で10人ほどの学生グループを教える羽目になった。
ホルマリン
学生より
何とか
今となってはいい思い出だ。
もう1度やれと言われてもできる気はしないけど。
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