第154話 服をむしり取られた男

今日は有用な情報を提供したい。

暑い季節、うっかり死なないために必要な知識だ。



先日、熱中症の男性がオレの勤務する病院に搬入された。


建築現場で働いていたそうだ。

本人は暑さも感じず、喉の渇きもなかった。


しかし、同僚が異変に気づいた。

すぐに冷房の効いた休憩所に連れていって水を飲ませたそうだ。

ナイスな判断で男性は復活した。



暑い季節、熱中症の患者が増えてきた。

熱中症の怖いのは自覚症状が乏しいことだ。


オレ自身、熱中症になりかけた事が2回ある。

1回は登山中、もう1回は墓参りの最中だ。


「なんだか調子悪いなあ。日光が眩しいなあ」としか感じなかった。

暑くもないし、喉も渇いていない。

まさか自分が熱中症になりかけているとは思わなかった。


汗だくになっているオレの顔をみた妻が無理に休憩させ、お茶を飲ませた。

当然のことながら周囲に冷房の効いた部屋があるはずもない。

代わりに服をむしりとられた。


日陰で休んでいると徐々に楽になってくる。

下手すると死ぬところだった。



熱中症はなによりも予防が大切だ。

まずは暑い環境に自らを置かないこと。


そして今の季節、体調不良があったら真っ先に熱中症を疑おう。

視界が眩しく感じたら、それも症状だ。


喉が渇いていなくても水分を摂れ。

暑くなくても冷房にあたれ。

冷房がなかったら服を脱げ。


そうすれば死なずに済む。

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