あとがき『単独短編』
KAC2022では連作短編を2作品ずっと書き続けましたが、お題ごとに話を考える普通の単独短編も一作書く事にしました。毎回そのお題に特化した話を書く事になるのもあってか、この単独短編が一番反響が大きかったです。
個人的には連作短編に力を入れていたので、ちょっと気持ちは複雑です。つまり、KACで連作短編は不利って事ですね。すごく面白い作品を書ければ別かも知れませんけど……。
では早速KAC20221の作品から振り返ってみましょう。
二刀流が口癖の男
あいつの口癖は二刀流
https://kakuyomu.jp/works/16816927861256647180
お題は『二刀流』。私は天邪鬼なところがあるので、このお題でもひねくれた二刀流にしようと目論んでいたんです。しかしな~んもいいネタが思いつきませんでした。なのでベタすぎるベタ二刀流の話にしたんです。
妖怪退治を人知れず行う退治屋さんの話になりました。すっごくベタです。この話に出てくる須藤は普通の仕事と退治屋の二刀流で人間と鬼の二刀流なんですね。妖怪退治モノの設定の話でありがちなやーつ。
これが割りと評判が良くて、あ、ベタでいいんだって思いましたね。て言うか、変な話はよっぽどうまく書かないとウケが悪いと。ベタの安心感よな。
この話の★は20で、PVは32(※執筆時)でした。連作短編に比べたらむちゃくちゃ読まれてますやん。いや、まだKAC20221は連作短編も読まれた方でしたね。
KAC20222の作品に移りましょう。
その聖地には推しだけがいない
聖地巡礼の少女
https://kakuyomu.jp/works/16816927861336165648
お題は『推し活』です。推し活にも色々ありますが、この話では聖地巡礼を選びました。後で色んな人が書いた推し活の話を読みましたけど、聖地巡礼パターンを書いていた人は私が見た中では見当たりませんでしたね。そんなにレアな発想なのかしら?
まとにかく、聖地巡礼に来たら作中の世界に飛ばされて、自分の推しだけが見つからないよと言う変な話が出来上がった訳です。個人的にも手応えを感じた一作でした。
この話の★は22で、PVは30(※執筆時)でした。特異な設定が受けたのでしょうか。評価もPVもいい感じで良かったです。
次はKAC20223ですね。
名もなき賢者のバタフライエフェクト
今日も賢者の第六感は冴え渡る
https://kakuyomu.jp/works/16816927861465084187
お題は『第六感』ですね。第六感にも色々ありますけど、この単独短編ではバタフライエフェクトを取り上げました。ほんのちょっとの変化が後で大きな影響を与えるってアレですね。主人公は能力はないけど頭が回る賢者。その頭の回転でバタフライエフェクトを起こして危機を回避するんです。文字数が許す限りパターンを書いてこの賢者の第六感の凄さを演出してみました。
かなり強引な展開もありますけど、楽しく書けたから良しです。この話も割りと好評でしたね。ちなみに、私が読んだ中ではネタかぶりはなかったです。
この話の★は23で、PVは31(※執筆時)でした。単独短編はずっと安定しています。やっぱ連作短編の方が鬼門なんだなぁ。どっちも好きですけど。
では、KAC20224に移りましょう。
異世界で目覚めたら鬼になっていたんだけど?
何でこんな事になってしまったんだ
https://kakuyomu.jp/works/16816927861535226190
4番目のお題は『お笑い/コメディ』でした。そこで考えたのはありがち異世界転移のテンプレをギャグにすると言うもの。こう言うパターンの話は多分ベタな部類に入りますよね。なので思いつく限りふざけてみました。行きたりばったりの勢い重視です。多少の整合性のブレはポイーで。コメディですからね。
お笑いに徹したのでコメントも多く頂けました。やっぱり反応があると嬉しいものですね。
この話の★は20で、PVは33(※執筆時)でした。安定してますねえ。
お次はKAC20225です。
石化から目覚めるまで、俺は鬼娘の抱き枕だった
何もかも失った俺に残ったもの
https://kakuyomu.jp/works/16816927861616725169
5番目のお題は『88歳』。私がこのお題で真っ先に思いついたのはエルフ88歳でした。そのままストレートに思いついた通りに書いても良かったのですが、何か一捻り欲しい。そう思ってのーみそコネコネしていた辿り着いたのが石化ネタ。コールドスリープか石化かどっちがいいかなと思ったのですけど、石化の方が魅力的に感じたんですよね。
で、石になったまま売られた主人公が鬼娘の体液で石化が解けたと言う流れに。展開的に言えばドクターストーンです。で、記憶喪失になっていたので地上に鬼娘と一緒に向かったら記憶がフラッシュバックしてダンジョンで暮らす事にしたと。
割とシリアスな展開になってしまいました。までも、この話も気に入っていますね。
この話の★は15で、PVは32(※執筆時)でした。PVは今までとさほど変わってませんけど評価は少し低いですね。若干エロな雰囲気を出しちゃったからかなあ?
さて、次はKAC20226ですね。
文芸部の村上くん
村上くんの自信作
https://kakuyomu.jp/works/16816927861656678593
6番目のお題は『焼き鳥が登場する物語』。多くの人が作中に焼き鳥を出す事で消化していたこのお題ですが、やはり『物語』までがお題なので、小説内小説を書かねばと頑張りました。となると、必然的に文芸部が舞台になりますわな。
今回の話は自分の個人的な体験がむっちゃ入っています。地元を舞台にしていますし、自分の学生時代の部活動がこの話のベースになってますから。高校時代、こう言う活動をやってたんですよ。私が当時書いたのは4ページ漫画だったんですけどね。
文芸部の問題児の村上くんの書いた物語の主人公が焼き鳥くん。焼き鳥のゆるキャラです。彼が今治で焼き鳥を楽しんで今治を襲う怪獣を倒すと言うのが落ちでした。
今治が焼き鳥日本一なのはそう言う風にPRしていたので本当だと思います。今もそうかどうかは分かりませんけど(汗)。
この話の★は13で、PVは20(※執筆時)でした。ちょっと受けが悪かったですね。やっぱり小説内小説が面白くなかったのかしら? 個人的にはシュールで良い感じに出来たと思ったのですけど……。
では、KAC20227に進みましょう。
いとしのラジ子
捨てられていたラジオの正体は
https://kakuyomu.jp/works/16816927861698402907
7番目のお題は『出会いと別れ』。物語に出会いと別れはよく描かれるものです。ただ、わざわざそれをお題にすると言う事はそれがとても大事な事と言う流れにならねばいけません。少なくとも、私はそう思ったんです。
で、地球外生命体と地球人の出会いと別れの話にしました。別れたと思ったら別れてなかったんですけどね。ラジオが突然喋りだす展開を自然にしようと色々話を弄ったのが、良かったのかそうでなかったのかですねえ。この話も個人的にとてもお気に入りです。
この話の★は17で、PVは14(※執筆時)でした。うーん、タイトルで敬遠されちゃったかな。でも読んでくれた人の評価は高かったようです。それが嬉しい。
次はKAC20228ですね。
ヒーローを探して
記憶の中のヒーロー
https://kakuyomu.jp/works/16816927861795209706
8番目のお題は『私だけのヒーロー』。私はこのお題のヒーローを超人的な力を持つスーパーヒーローと定義しました。で、私だけと言う条件なのでヒロインだけに力を発揮するヒーローにするべきだなと。そこから物語を組み立てていって、普段は弱々な少年が、ヒロインのピンチ時のみに超人パワーを発揮する物語を書いた訳ですよ。
廃ホテルが舞台なのは最近廃ホテルが迷惑系ユーチューバーによって荒らされていると言う話題がベースになっています。ニュースを毎日追いかけるのも、創作に役立つ時があるのですねえ。
この話の★は16で、PVは16(※執筆時)でした。単独短編も数字が落ち着いてきた感じですね。評価が高いのが嬉しいところです。
次はKAC20229。
封印解除はフミフミ
恐ろしいお告げ
https://kakuyomu.jp/works/16816927861849419298
9番目のお題は『猫の手を借りた結果』。やはりここでも猫の手を借りた、だけでは終わらずにその『結果』が重要なのかも知れません。猫の手を借りた結果、世界が救われた。私が読んだKAC20229作品でそこまでスケールの大きなのはなかったですね。勿論、私が読まなかった中にはもっとスケールの大きな話もあるのかも知れませんけど。
猫の手を借りる展開、どう言うのがいいか考えたんですよ。そこで思い浮かんだのが猫のフミフミです。フミフミが封印解除のトリガーになるって面白いなと思って。そこで大量の猫が出てきて、それが猫に姿を変えた人間って展開になったのは、書いていたら自然にそうなっていました。
偉い人は国の危機にすぐに国を捨てると、まぁ隕石の落下ですからね。抗えない自然災害だからしゃーない。個人的にもいい感じに話を書けたと思います。
この話の★は21で、PVは22(※執筆時)でした。PVも少し増えましたけど、評価が高いですね。テーマを深く感じ取ってくれた人が多かったのかも。嬉しい。
次はKAC202210。
夜を探す旅人
その男は夜だけの国を探していた
https://kakuyomu.jp/works/16816927861908870332
10番目のお題は『真夜中』。普通に真夜中が舞台の話を書いても良かったのですが、どうせなら真夜中に特化した話を書こうと、シュールな話に挑戦してみました。今回の話は詩がベースになっています。詩に肉付けをして物語に変換していきました。こう言う不思議な雰囲気の作品の方がより『真夜中』を感じると思ったんですよね。
初めてこう言う雰囲気の作品を書いたので評価が気になったのですけど、意外と受け入れられたようで良かったです。
この話の★は22で、PVは17(※執筆時)でした。やはりPVは奮わなかったようですね。その代わり、読んだ人の中の評価は高いと。作風が認められたようで嬉しいです。
最後にKAC202211。
小説家で魔法使いの叔母の日記
叔母の秘密を暴くのだ
https://kakuyomu.jp/works/16816927861993286032
11番目のお題は『日記』でした。私はKAC2020から、最後の単独短編はお題全部入りで書いてきました。それもあって、今回も全部入りで書いたんですね。二刀流で推し活をして、第六感を働かせて物語自体はコメディで、登場人物が88歳になって焼き鳥が登場して、出会いと別れがあって私だけのヒーローがいて、猫の手も借りちゃって真夜中になって日記を出すと。
そこで、魔法使いの小説家って言うキャラが生まれました。そのジェシカ叔母さんの日記に各お題のエッセンスが詰まった体験談が書かれていたと。最後は約束を破った弥生が痛い目にあって終わるコメディ仕様。
この話は最後の最後、ギリギリまで作品に手を入れましたね。最初に書き上がった時は色々と未完成で文字数にも余裕がありましたから。結果的に説得力はかなり出たかなと言う気がします。
この話の★は24で、PVは33(※執筆時)でした。最後の最後に完結ブーストじゃないですが、最後のお題ブーストがかかっていますね。お題全部入と言うのも注目を浴びたのかも知れません。終わりよければ全て良しですなっ。
単独短編を振り返ると、全ての作品がお気に入りなんですよね。本人の満足度も評価やPVに影響するのでしょうか? とは言え、連作短編の満足度も同じくらいなんですけどね。ただ、話の振り幅については統一感のある連作短編より単独短編の方が当然大きい訳で。
ベタな話もあれば邪道な話もある。そう言うのがKACでは好かれるのかもなあと思ったのでした。
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