千佳、もっと二刀流を語る。節分と雛祭がコラボするとだね。
大創 淳
第一回 お題は「二刀流」……またも挑戦。
――そして今日は三月三日。桃の節句とも呼ばれる雛祭。飾る雛壇に雛人形。
この零時より……
魔法のお時間が始まるの……
飾られた場所は僕の、
素敵な音楽祭。
喩えるのなら、ピカソのような印象を与える素敵な音色……
スヤスヤな眠りの中にも、また現実のあるような不思議な感覚。僕は、梨花と一緒にその感覚の中に身を置いたの。……というよりも置いていたのかな? 身も心も……
僕は刻む。エッセイに書き留めるため、心に刻む。お互いの温もりを感じながら梨花と共に、素肌から浸透するように、その調べに、その身を預けるの。
――気持ちいい!
言葉を超えた心の声が共鳴する時、これも喩えるなら、国境を越えての心の共有。
五人囃子の歌い手は、メンバー紹介する。まるで、とあるバンドがコンサートでメンバー紹介するような趣。ノリもノリノリ……爽快にも弾む紹介で、
笛の青囃子。小鼓の黄囃子。大鼓の緑囃子。大鼓と掛声の紫囃子。そして紹介する歌い手は、一番小柄な赤囃子。このオチといえばもう……『五人揃って五人囃子』なの。
そして朧月……
春の嵐のように、巨大な鬼が攻めてきた。赤鬼、青鬼、黄鬼と……『三鬼揃って三鬼トリオ』と名乗る。トリを取ることを目的とするの。その攻撃手段は、或いは身を守る方法とは、豆撒きにある。「福は内、鬼は外」との決まり文句を梨花を唱えながら……
しかし豆撒きの最中、鬼はパワーアップしているようだ。王将を獲得するように、十万通りあると言われる防御法も崩しつつ、男雛と女雛を奪い取ろうとしてくるの……
――そんなのヤダ!
と、梨花と一緒に叫ぶ。だってこの雛人形たちは、パパからの大切な、僕たちへのプレゼントなんだから。だから守るの、僕たちも戦隊ものの風格を纏った五人囃子と共に。
五人囃子の攻防は、やはり音楽。
三鬼を和ませる音楽……でも、パワーアップしてしまう三鬼。何故なの? と思っていると、その原因は豆にあったの。そのことを教えてくれた音楽。
豆のタンパク質が、三鬼を活性化へ導いていた。男性が喜ぶ栄養素へと変えて、やがては僕らに襲い掛かろうとしたの。今の三鬼にとっては、女の子は大好物となるの。
――すると、恵方の彼方から、
巻き寿司が、まるで天の川に乗って流れてきたように現れたのだ。
それは僕たち双子の誕生日が七月六日だから? とある説によると、その日が七夕とも云われている。ならば彦星と織姫からの、ピンチを脱するアイテムと理解できる。
その巻き寿司は、紛れもなく『恵方巻』
恵方の方角に向かい食せよとの、五人揃って五人囃子の音楽によるメッセージ。
その方法はまさに、節分そのもので……ある意味、二刀流の攻防。
――パクリ!
と、豪快に食す。恵方巻を梨花と呼吸もピッタリに食べてゆく。横並びで二人。
するとキラキラと、シャンデリアのように……
夜空に向かいつつ、三鬼は退散していった……
そしてここからが、楽しい音楽祭の始まり。五人囃子のテンションが上がってゆき、まるでジャニーズにも似た盛り上がり。そのようなイメージ……
赤囃子の「やってやるぜ!」が響く会場。そうなの。僕の、千佳のお部屋がライブ会場と化したの。女雛もヴァイオリンを奏で始めてカノン……男雛はピアノで、デュオを成り立てる。これが最終形態となる。カノンのロックバージョンが、今ここに成立したの。
そして僕たちは応援。
タイガースという名の野球チームを応援するようなスタイルで。大いに盛り上がる深夜の音楽祭。二刀流を兼ね備えた令和四年の雛祭。――KAC2022を祝しながらも。
千佳、もっと二刀流を語る。節分と雛祭がコラボするとだね。 大創 淳 @jun-0824
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