戦争

 1914年、あの時、全ての戦争を終わらせるための戦争、その火蓋が切られ、その戦争には約7000万の人が従軍し、戦火を交えた。


 1918年、その戦争は約1000万の人を殺し約2000万の人を傷つけた、これで世界は平和になると、全てが終わると思っていた。 

 だが、終わらせるための戦争は、世界の在り方を永遠に変えてしまった。


 1939年、再び世界は地獄へと姿を変えた、しかしそこに悪意はない、誰も戦争などしたくはなかった、だが自身の愛する国を守るため、約1億1000万の人が戦った。


 1945年、やっと全ては終わった、約7000万の人の命を奪って……。

 もう一度言うがそこに悪意はない、自国を守るため手段を選んではいられなかった。

 だから皆涙した、もう二度とこんな戦争はしたくない、力を使った解決はしたくないと。


 

 ここまで人間は二度の世界大戦を行い、多くの人間が死んできた、しかしそれ以外にも重要なものを失ってきたのだ。

 

 それが『兵器』である。

 

 ある時は陸の上を駆け巡り、ある時は大海原を優雅に進み、またある時は大空を飛び回った兵器、それは人間たちが自国の安寧を願い当時の技術を生粋させて作成された、人々の自国を思う愛の結晶なのだ。


 そんな兵器たちを怖がらないでほしい、嫌わないでほしい、兵器があったから戦争が起こったのではない、戦争が起こったから、兵器はできたのだ、その兵器たちは、自分を作ってくれた人間を守るため、愛する祖国を守るため、人に使われた。


ある時は活躍し


ある時は象徴とされ


ある時は捨て駒にされた。


 戦争は決して良い事と呼べるものではなく、愚かな行動なのかもしれない。


 しかし愚かであっても、全くの悪とはいいがたい。

 自国を守るための兵器を作った人、自国の平和を思って苦渋の決断をした人、愛する家族を守るために引き金を引いた人、そして、その戦争で救われた人も、確かにこの世界には存在する。


 そんな自国を守るために行われた戦争、そしてその戦争に勝つために作られた兵器を知らない、教わらない、知ろうとしない、今の私達こそが、戦争を行った人間たちよりも、よっぽど愚かな存在のかもしれない……。


                『戦争』


 それは国の力を奪い、人の命を奪う。

 

 それでも人々は、愛国心とそれぞれの信念をもって戦う。


 戦いに勝とうとも敗れようとも、その戦いの果てに見えるのは希望の光なのかもしれない。


          ―――――その光を求めて人間たちは争い続ける。

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