終わらぬ戦い

どうも、やーさんです。

ウクライナ戦争も長期化してきた中で、多くの民間人、兵士、子供達の命が戦火の中へ消えていっています。

現時点ではロシアはウクライナ東部を確保し、おそらくはウクライナの隣国、モルドバの一部を手に入れてこの戦争はもしかしたら終結する可能性があります。

ですが恐らく、この戦争は一年以上は続くでしょう。

NATOとアメリカは自走砲と自爆ドローンの支援を決定、ウクライナへ送られています。

まず、自走砲という兵器の説明をしましょう。

自走砲というと簡単に言ってしまえば馬鹿でかい大砲です。

味方が無線で敵のいる地点へ座標を後方にいる自走砲に通信し、その座標を目標に数十発の砲弾を撃ち込み、破壊するという戦法です。

自走砲にも使う砲弾は数多あり、着弾と共に爆発を起こす物や、上空で爆発し、破片で攻撃を与えるものなどがあります。

そんな自走砲ですが、やはり遠距離で射程距離は30㎞と長いですが近くなどに敵兵がいた場合は無力に近く、射撃した場合、その射撃地点がばれ、そこに敵の自走砲の砲撃が来る可能性が高く、打ったらすぐ逃げるみたいな戦法を取る自走砲もあります。

ですが、NATOやアメリカの提供する自走砲はもはや化け物じみた性能を持ちます。

ヨーロッパは最新鋭自走砲、カエサルやドイツは技術的にも高い自走砲を提供、アメリカも多くの自走砲を提供しています。

その提供がウクライナ軍を支える根幹であり、ロシアの進軍を止めている要因でしょう。


そしてもう一つ、この戦いはある意味で別の転換点を迎えています。

それは何か?


無人ドローンの有効性。


これに限ります。

今回提供された自走砲の威力を発揮させるのは観測班と呼ばれる部隊の存在です。

敵拠点の地点や放たれた砲弾の場所、そこに必ずと言っていいほど敵はいます。

それを見つけるのが観測班です。

偵察兵と言ってもいいでしょう、その部隊から送られる座標を目標に自走砲は砲弾を撃ち込み、敵拠点や敵兵を撃破するといった戦法です。


ですが、この戦法にはあるリスクがあります。

それは偵察兵が敵陣地のど真ん中にいるということです。


本来、敵拠点や自走砲は敵陣地の奥深くにあります。

それを少ない装備で偵察兵が隠密で入り込み、座標を送る。

その時点でもはやリスクは高いのです。

敵兵にばれてしまったら死と同じ状況が生まれ、その偵察兵は死ぬでしょう。

ですが、それを根本的に変えたのが無人ドローンです。

ドローンを使えば無人で人の命を危険にさらさずに、そして上空から敵を見つけるのです。

これはもはや敵兵にとってはドローンの音がすれば恐怖するでしょう。

だって、見つかればそこに砲弾が飛んでくるのですから。

そんな恐怖にロシア兵はさらされながらも戦っていますが、対処法はあります。

その対処法は何か、そんなのは簡単であり馬鹿馬鹿しい対処法です。


対空ミサイルで撃ち落とせばいいのです。


ですが、この方法は自分から見たら本当に馬鹿馬鹿しい対処法です。

なぜか、それはコスト面です。


本来、対空ミサイルは戦闘機やヘリなどといった一機数千万から数億する物を撃ち落とすため作られたミサイルです。

その種類は様々ですが、どのミサイルにも高性能のコンピューターが組み込まれ、かなり精密に作られています。

その一発の値段は数百万から数千万ぐらいでしょう。

ですが、それを一機数万のドローンを撃ち落とすために使うとなるとどう思いますか?


かなり馬鹿げたお話ですよね?


それじゃ、銃で撃ち落とせばいいじゃないというお話が出てきそうですがそれはもはや簡単にできるものではないのです。


銃には銃弾を放つときに衝撃があり、はるか上空の小さな的であるドローンに当てるなど、ほぼ不可能です。

それが今ウクライナがとっている戦法なのです。

もはや、自走砲とドローンのコンビネーションはとんでもないコンビなのです。

ですので、アメリカも多くのドローンと自走砲を提供しているのです。

自爆型ドローンや極秘に作られていたドローンなど、その多くのドローンで今ロシアは苦しめられています。

あのアメリカの次に強いとされているロシアが数万円の小さな機械に苦しめられているのです。

それだけで多くの国は今、ドローン開発に拍車をかけています。

イスラエル軍は戦車に小型ドローンを取り付け、実験、日本はそのドローンの対処法としてジャミング装置を開発中です。

もはや今後の戦争は昔の戦争とは全く違うのでしょう。

だって、無人ドローンのリスクはほとんど無いに等しいのですから。


そんな戦争の転換点であるウクライナとロシアの戦いですが……おそらく、この戦争に勝者はいないのでしょう。

ロシアは経済面や国民の信頼度が失いつつあり、内側から崩壊しています。

ウクライナは戦争が終わり、ロシアが攻めてこなくとも、亡くなった命は戻ってこない、子供達の心の傷は癒えないでしょう。


戦争が国を殺す。


それは国自体ではないでしょう、その本当の答えは未来ある子供達を殺していると同意義でしょう。


ブチャ、マリウポリ、キエフ……。


そこで死んで逝った民間人は何人いるのでしょうか?


プーチンは初め、こう言いました。


「民間人には手を出さない」


その言葉は一体どこに行ったのでしょう?

多くの民間人が惨い死に方で死んで逝き、証拠を隠すため冷たく暗い森のどっかに遺体を隠し、その果てには子供の目の前で親を……。


……これ以上は言いません、おそらくこの言葉を放てば貴方達はロシアを許せなくなるのでしょう。

私はロシア自体は恨みません、恨むのは軍に指示を出している上層政府、そしてプーチンです。

軍の中では悪逆非道の事をしている軍もいるでしょう。

戦争は人を狂わせる。

それは本当なのでしょう。

それは、第二次世界大戦でも同じこと。

特攻、玉砕、ガマ……。

その言葉を聞けば皆さんはわかるのでしょう。


……私はまだテレビに出てくるウクライナの景色を見て息を飲みます。

焼け焦げた街並み、モザイクがかけられた遺体、泣き叫び子供らしき遺体を見て狂う母親。


……ウクライナに平和な日常が来るのでしょうか?


その光景を見てもなお、なぜ戦い続けるのでしょうか?

なぜ……戦いをやめないのでしょうか?


それは、分かりません。

原因はロシアなのか、武器提供をする国なのか、それがわからないのです。


では、私はここまでにしておきましょう。


恐らくこの戦いは長期化するのかもしれません。

プーチンの死でおそらくこの世界は狂うでしょう。

ウクライナはもうボロボロなのです。

ですので、私はこの言葉を……。


もうやめましょうよ。


子供が泣き叫び、母親が狂い、家族の最後の集合写真があれなんて惨すぎるでしょう?


もう、子供達の笑顔は戻ってこないかもしれないんです。

子供たちの笑顔がない国なんて、世界なんていらないでしょう……。


だったら! もう武器を置きましょうよ、武器を置いて冷静に話し合いましょうよ。


もう十分お互い傷つきました、もう戦争の大義は無いのです。


だからもう……やめましょうよ……。


……私はここまでにしておきます。


この言葉はどこまで届くのかはわかりませんが、私はまた情報を集め、ニュースを見て、またこの小説を書くでしょう。

この小説が終わる時、それは戦争が終わる時でしょう。


最後に……。


ウクライナの皆さん、どうか、どうか生き延びて……。


ロシアの皆さん、現実を見ましょう、今手に持っているのは血まみれの刃物です。

目の前の景色は、貴方達が起こしてしまった惨劇です。

まだ間に合います、ですからナイフを置いてください。


……では。



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戦争をどうかやめてほしい。 夢獄 八意@やーさん @yumesakiraita

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