魔王城が地上に現れ、昆虫の姿をした魔物が闊歩する小さな国。帝国からの偵察としてこの国にやってきた黒魔術師のメグは、自らの命と引き換えに魔王を封じる勇者を知るが、その正体は……。王道からちょっと外れたストーリーラインの異世界ファンタジー。魔法や剣士と言ったワードが出てきますが、世知辛い現実感が下地になっています。使命に殉ずるというのは確かに素晴らしのかもしれませんが、それは「幸せ」なのでしょうか? あまりにひどい状況だからこそ、目指すべき幸福な結末も、あるのかもしれません。