第2節 冬 雨季

日本を旅立ち4ヶ月が過ぎた。今はボリビアのウユニ塩湖の近くの宿にいる。山の上だから寒いが一応北半球で夏だから耐えられないほどではないのと日差しがとても強い。

そして今彼女に手紙を書いてる。体調や宿泊先の出来事やちょっと面白い話などいつも書きたいことはたくさんで何を書こうかと迷ってしまう。結局風景が綺麗なことと君がいなくてとても寂しいということを書いた。

話では夜にウユニ塩湖に出るらしいと聞いたからシャワーを浴びてから行こうと思う。どうやら水が枯渇してるらしく朝のうちに入ってくれということらしい。

気づけばもう出発の時間まであと少しという時間だ。時間に遅れるという焦りと絶景を見れるという高揚感で支度をすぐますませ集合場所に来た。

車を運転してくれるのはフラワーズさんだ。

車に乗りフラワーズさんはいろんなことを教えてくれた。ウユニ塩湖のこと。ボリビアのことや僕が日本人だからということで日本の印象や家族のことなど話していたらすぐに予定の場所に着いたらしい。

ちらちらと車の窓から見えてはいたが、実際に見ると言葉を失った。まるで漫画の顎が開いたまま閉まらないような気分だ。そして何よりこの鏡の世界で星が無数に見えること。日本の街からは街の光が邪魔で見えなかったものが全て見えた。時間が経てば経つほど目が星の光に慣れて見える星の数が増えていく。これだけで涙が出そうだった。これこそが満天の星空という言葉が似合う。写真の中にこの風景を閉じ込めたが、それでも肉眼の方が綺麗に映る。彼女と来たかったというとてつもない後悔があるがそれを打ち消すような風景がここにはある。

帰るまでは一瞬でとても長く感じた。どこまでも大きな世界とここまで見ていた世界が小さいということを突きつけられた気分だった。そのインパクトがただただ強く、帰りのことはもうほとんど覚えていない。

また手紙に書きたいことが増えた。ここはいつか君と訪れたいと手紙に追記をしておこう。

次は北アメリカだ。少しずつ旅をしていこうと思う。彼女はいつまでも待ってくれるといってくれたのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

四季のメモリー 天海創達 @Amami_Sotatu_00

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ