第33話時をかける にゃん太郎 ③

【にゃん太郎side】



 痛ってててて、殺す気かよ! 何が『絶・天猫抜刀牙』だよ!

 何処の熊犬だよ、登場する所が違うだろう!


 俺の顔を覗き込むせたメンチカツに、

「やい、メンチカツ!

 俺を殺す気か、やり過ぎなんだよお前は!」


 メンチカツの奴、不思議そうな顔をして、

「メンチカツって誰だ?

 俺はコロッケだよ、にゃん太郎親分。

 やっぱり頭の打ち所が悪かったかなぁ~」


 ………コロッケ? と、云うことは『夢』から覚めたのか?

 否、まだ判断するのは早いな。


「貴女は『ウッシッシー』だよな? 」

 念のために聞いて見ると、


「 ウッシッシー ? ………何よ、そのフザケタ名前は!

 もー ! もー ! もー ! 私の名前は、ウッシーよ!

 心配して損をしたわ、にゃん太郎親分のバカァー!」

 ウッシーが怒って行ってしまった………うん、後で謝っておこう。


 そうすると呆れたように見ている黒猫は、


「私は、オコゲよ。

『夢』でも見ていたんでしょう………『夢』の私は、何て名前だったのにゃん太郎親分」


 オコゲは冷静だよなぁ~、


「『オハギ』だよ………」


「 ………オコゲよりマシな気がするわ。

 まあ、どちらでも良いんだけどね」


「なっ、なっ、 なっ、それなら おいらの名前は何だったんだい? 」

 ガンモの奴が質問してくるが………居たかなぁ~、居なかったよな。


「ガンモ、お前は登場しなかったよ………代わりに俺が名付けをしてやろう。

 ………ガンモドキはどうだ?」

 冗談で場をなごませようと思ったんだが、


「ヒデェー! モドキって、何だよ! モドキって!」

 いじけたガンモをオコゲがなぐさめている。


「ケッ! 見せ付けやがって!

 俺だってヤセタんだから直ぐに彼女くらい作ってやるんだからな!」

 コロッケが負け犬の遠吠えを言っていた。


 あぁ、戻って来たんだなぁ~

 アレは夢だったのか未来だったのか解らないが現実に戻ってこれて良かったよ。


 そうだ! 念のために未来の子孫や後輩達の為にタビとボンドに挨拶あいさつがてら頼みに行こう。




 俺の名前は、にゃん太郎。

 未来の子孫や後輩の心配までするボス猫だ。

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