第22話迷子の迷子の子猫ちゃん ②

【 にゃん太郎side】


俺が縄張りをパトロールしていると見慣れない子猫達が居た。

商店街の店と店の間の人の子供がギリギリ通れるくらいの隙間すきまだ。


「 お腹が減ったよぉ~、キャラ~ そろそろオウチに帰ろうよぉ~」


「アタイだって、初めて外に出たんだよ ! 帰りたくてもウチの方向なんて覚えてなんかいないよ !

アタイだって、お腹が減っても我慢しているんだから『ニャァ~ ニャァ~』泣いているんじゃ無いよ ! 」



う~ん、どうやら何処かの飼い猫が外に飛び出して帰れ無く成ったパターンか ?

たまにいるんだよな、家に帰れなく成った猫が !

箱入り娘、箱入り息子だから単独で外に出た事が無くて迷子に成り、そのまま野良猫に成る奴が !

只、自分でエサの捕り方や人間に貰うのを躊躇ちゅうちょするから衰弱すいじゃくして居なくなってしまうんだ。


俺が見付けたのも何かの『えん』だから助けてやるか !

だけど、子猫が二匹かぁ~ おっちゃんの店まで少し離れているし困ったなぁ~


「にゃん太郎親分、パトロールかい ! にゃん太郎親分は真面目だなぁ~」

散歩をしていたのか、ガンモが声をかけてきた。

そういえば、この辺りはガンモの『居酒屋 あおきや』の近くか !

俺が ガンモに事情じじょうを話すと、


「 それならウチの隣の床屋 バーバー・バーバから妹のシャンプーとリンスを連れて来るから待っていてくれよ ! 」

そう言い残して元来た道を戻って行った。


ガンモがシャンプー達を連れて来る前に俺は子猫達を安心させる為に近づいて行った。


「 お嬢ちゃん達、 迷子まいごにでも成ったのかな ? 良かったらが相談にのるから話してくれるかな 」


は、だ~あ~れ

それと、プル達は迷子に成ったんじゃ無くて 帰り道が分からなく成っただけだよ ! 」


「 そうだよ、! アタイらは忙しいんだから、アッチに行っておくれよ !」


おっ おじちゃん に オッサンだと ! ………もちつけ………落ちつけにゃん太郎よ、 高々子猫こども戯言たわごとに怒っては駄目だ。


「そんなことを言わずに、にお名前を教えてくれるかな ? お兄さんの名前は『にゃん太郎』と云うんだ。 お嬢ちゃん達は、何て名前なんだい ? 」


「 プルは『プル』と云うお名前なんだよ、おじちゃん ! 」


「 アタイは『キャラ』だけど、ナンパならお断りだよ、オッサン !」


「…………何処どこから来たかは判るかな、プルちゃん キャラちゃん」


「 プル、分からな~いよ、にゃん太郎おじちゃん !」


「 それが分かれば、とっくに帰っているよ、にゃん太郎のオッサン !」


………我慢、我慢、早く戻って来てくれよ ガンモ !

犬のお巡りさんじゃないんだけどきたい気分だよ。


「 親分、お待たせ ! 妹達を連れて来たから安心してくれよな !」


ガンモが、シャンプーとリンスを連れて来てくれたので ふたりに事情を説明して、おっちゃんの店まで子猫達を誘導ゆうどうして貰う事にした。

子猫と云っても二匹共、くわえて連れて行くには育ち過ぎているからな !

ただ、………


達は、だ~あ~れ ? 」


と、言うプルの言葉に その場がこおりついたのは参ってしまったけどな !

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