第21話 迷子の迷子の子猫ちゃん ①

【キャラside 】


アタイ達は、沢山の姉妹と一緒に暮らしているんだけど………退屈たいくつ》だよぉ~ !


ララァ達、大人は


『外は危ないから、勝手に出たら駄目 』


と言うけれど、アタイ達は 絶対に 絶対に 外に出たいんだよ !

隙を見て脱走しようとしたけれど、ララァやマチルダ、ミライに見つかり連れ戻された。


「最近、おっちゃんコロッケが遊びに来ないから つまらないよぉ~ ! 」


プルのつぶやきに


「 なんだい、コロッケの事が気に入ったのかい ! 」


シーマさんが応えると


「 うん、おっちゃんコロッケが持ってくる『オヤツ』を楽しみにしていたのに最近、来ないんだもん ! おとうさん達クワトロ、レイから貰える分だけじゃ食べ足りないよ ! 」


うん、そんな処だと思ったよ !

確かに、おっさんコロッケが持ってくる『オヤツ』は魅力的だったけどね。


「 ねえ ねえ シーマ、 ララァ達は何処に行ったの ?

今日は朝からお父さん達クワトロ、レイが皆を連れて行っちゃったけど………そういえば、皆が無言だったよね 」


幼いプルは知らないんだね………


「 ララァ、マチルダ、ミハル、ミライ、ライラ、エマ、ロザミア、フォウ、セシリーは『ワクチン』と云って、とても痛い 痛い注射を打ちに行ったんだよ ! 」

シーマさんが説明するけど、


「 注射って何 ? 美味しいの ? プルも食べたいよぉー ! 」


「 ………おバカ ! シーマさんが言っていただろう 『痛い 痛い 注射』だって」


「 そんな事を言ったって、プルは見た事が無いんだから知らないよ !

それに新しく家族に成った子猫達 『 エル、ルー、リィナ』も注射を打つの ? 」


「 エル、ルー、リィナは子猫だから健康診断さね !

いい加減、わがままを言っていないで お子様子猫はお昼寝でもしてな ! 」

ほら、シーマさんにしかられたじゃないか !


「 ヤダ ヤダ、プルもお外に行きたいよぉー ! ちょっとだけだから良いでしょう、シーマ ! 」


「 ダメだ ダメだよ !外は危険がいっぱいなんだから勝手に外に行ったら、承知しないよ ! 」


「 なんだよ、シーマのケチ ! ケチバ◌アー ! 」


ばっ バカァ ! シーマさんに◌バアーは禁句なんだよ !


「なんだとォー ! ク☆ガキどもお仕置きしてやる ! 」


「 ヒャァー、何でアタイまで怒られるんだよぉー ! 」


「 プル プル プル プル プル プル プル プル プル ♪ 」


アタイ達は部屋中をシーマさんに追いかけられたから必死で逃げているのに プルの奴は遊んで貰っていると勘違いをしている。


「 連帯責任だぁー ! 教育してやるぅ~ 」


アタイ達は必死で逃げてから秘密の出入口にたどり着き中に入った !

この秘密の通路は、親父クワトロふさいだけど、アタイ達みたいな子猫や小さな猫なら通り抜けられる隙間があるんだ !

当然、大人のシーマさんには通り抜けが出来ない。


アタイ達が通路に入ると、


お前達キャラ、プル、怒らないから戻ってお出で !

本当に外は危険が いっぱいなんだよ ! 」


部屋の中からシーマさんの声が聞こえたけど、外に出ることに集中していたアタイらには聞こえなかった !



そして、遂に外に出たアタイらは、大いにハシャギ駆け出していた !

アタイらの冒険が始まる………ハズだった !

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