第5話 少女 S

【😺 ???side 】


アーー ! お兄ちゃん、まだ寝てるぅ~


いつもウルサイ目覚まし時計も鳴らないし、さてはセットするのを忘れたなぁ~ !


やっぱり僕が居ないと駄目だなぁ~


仕方ないから起こしてあげるね。


僕は、お兄ちゃんを起こす為にベッドに乗っかって枕元にいき、お兄ちゃんを起こす為に毛繕けづくろいする様に鼻を舐めてあげた。


フン フン フン ジャァリ ジャァリ ジャァリ


「 さくら~ 今日は『休み』なんだから、もう少し寝かせてくれよー 」



「 ニャァオ ニャァオ ニャァオ ニャァオ ニャァオ ニャァオ( ムゥゥゥ 休みなら、僕と遊んでよ !)」



「 わかった わかった あと三十分で良いから寝かせてくれぇ 」


そう言って、お布団を頭からかぶってしまった。


もう、仕方ないなぁ~


僕は、ベッドの脇にあるタンスに乗っかった。


フ~リ フ~リ フ~リ お尻を振って、照準セーット !

目標『 お兄ちゃんのお布団の上 』


僕はダイビングした !


ドン !


「 ウワァァァァ、 ………なんだ ! 『さくら』か !

驚かすなよ………しょうがないなぁ~…………

ご飯めしが無いのかなぁ~ 」


お兄ちゃんが、僕の食器を確かめるけど


「 なんだよ『 カリカリ 』は、まだ残っているよな !

もしかして『 モ◌プチ 』の缶詰めでも食べたいのかな ? 」


違うよ ! 僕と遊んでよ。


オモチャをくわえて行くと、ようやく意味が通じたみたいで


「 なんだ ! 遊んで欲しかったのかぁ~

もう少し寝ていたかったけど仕方ないなぁ~ 」


そう言いながら、オモチャで遊んでくれた。


フゥー そろそろ飽きたなぁ~

僕は休む為にお兄ちゃんのベッドの上に乗り身だしなみをする事にした。


ペロ ペロ ペロ タシッ タシッ タシッ タシッ


お手々を舐めてお髪を整える。

僕は、お洒落なレディだから身だしなみには気をつかうんだ。

お兄ちゃんの前では、常に綺麗でいたいからね。


お兄ちゃんは、テレビをつけてからコーヒーの用意を始めた。

あっ ! お兄ちゃんが牛乳ミルクを冷蔵庫から出している。


「ニャァ~オ ニャァ~オ ニャァ~オ!( お兄ちゃん、僕にも『ミルク』を頂戴ちょうだい !)


「 なんだ、さくら ? ミルクが欲しいのか、猫にミルクは消化出来づらいらしいから少しだけな ! 」


お鍋に『ミルク』を入れて暖め始めた、お兄ちゃんが


「 冷たいミルクだとお腹を壊すから少し待っていてくれよ」


「 ミャ~オ ミャ~オ !( うん、僕は良い子だから待っているよ ! )」


やがて、暖めたミルクを僕のお皿に入れてくれた。


フン フン フン 匂いをいで少しだけ『ペロッ』と舐めてみる。

うん、流石はお兄ちゃんだ ! 熱すぎず、冷たすぎず、僕好みの暖かさだね。


お兄ちゃんは、コタツに入ってテレビを見ないで『 本 』を読み始めた。


いつもは『 本 』より僕と遊んでと邪魔をするとこだけど、今日は先に遊んでくれたから許してあげるね。



♬♪♫♩♫♪♬♩♪♬♫♩♬♪♫♩


あっ ! このメロディは………

僕は、急いでテレビの前に行った。


『今日のワンコ 』が始まった。

僕は、この番組のファンなんだぁ。


テレビの前に座り『今日のワンコ』を見た。

何時もはタイマーをかけて仕事に行ってしまうけど、お兄ちゃんと一緒に見る方が嬉しいなぁ~


「 さくらぁ~ ! テレビの前に陣取られると、ほとんど見えないんだけどなぁ~………本当に、さくらは『 犬 』が好きだなぁ~」


そうだよ ! 僕が小さい子猫の頃にお兄ちゃんと一緒に仕事場に行ったけど、お兄ちゃんが仕事をしている間に『ロンお姉ちゃん』が僕のお母さん代わりだったんだから仕方ないんだからね !


長期休みの時に一緒に帰った、お兄ちゃんの家に居た『 ムクおじちゃんも好きだよ !

おじちゃんも『お兄ちゃんが大好き』だと聞いて、僕は おじちゃんが好きになったんだ。


あ~あ、『今日のワンコ』が終わってしまったので、お兄ちゃんのベッドに行き眠る事にした。


お兄ちゃんの匂いがして安心するなぁ~

僕が、ウトウトし始めると、


「 さくら、ちょっと留守番していてくれよ

『 ウッシー』と『 にゃん太郎』にご飯メシをあげて来るからな ! 小一時間程で帰って来るから 大人しく待っていてくれよ 」


そう言って、僕が食べなかった缶詰めを持って着替えて出かけてしまった。


しょうがないなぁ~ 少しだけ待ってあげるから今日はずっと一緒に居てね、お兄ちゃん。

そして『 ウッシー』と『にゃん太郎』と云う子を、そのうち紹介してね。


お兄ちゃんの匂いに包まれた僕は、何時しか眠ってしまった。




【👧???side 】



最近は、幼馴染みのしおりちゃんと一緒に小説を書いているお兄ちゃんは忙しいらしく、僕と遊んでくれない。


さみしかったけど、栞ちゃんも大切な幼馴染みだから我慢していたんだ。


だからなのかなぁ~

お昼寝していたら、『 猫 』だった時の事を『 夢 』で見てしまったよ。


お兄ちゃん、さみしいよぉ~


そう思っていたら、下の階から


「 さくらー ! 恭介くんが貴女を心配して遊びに来てくれたわよぉ~ ! 早く、降りていらっしゃい 」


あっ 、 お兄ちゃんだ !


「 は~い、今 行くから少しだけ待ってねぇ~ 」


僕は、急いで身だしなみを整える。

お兄ちゃんの前では可愛いい『さくら』でいたいからね。


お兄ちゃん お兄ちゃん

僕は、下の階で待っていたお兄ちゃんに飛び付いた。


クン クン お兄ちゃんの匂いだぁ~

僕の大好きなお兄ちゃんの匂いに安心してしまった。


お兄ちゃんが優しく僕を撫ででくれる。

ゴロ ゴロ ゴロ ずっと一緒だよ、お兄ちゃん。




【😺さくらside 】



! ! ! この足音は、お兄ちゃんだ !

僕は『 夢 』の世界から戻って来た、どんな『夢』だったか覚えていないけど急いでお迎えしないと………

僕は玄関でお座りして、お兄ちゃんが玄関を開けるのを待っている。


がチャリ キィィ ドアが開いた !


「 ニャァ~オ ニャァ~オ ニャァ~オ( お帰りなさい、お兄ちゃん。僕、良い子で待っていたよ)」


「ただいま、さくら。ゴメンナ、遅くなって。

にゃん太郎の他に『ガンモ』と『コロッケ』が居てね、

いやにアピールしてくるから腹でも減っているのかと、さくらのおやつをあげたんだけど最初の頃は見向きもしないで、

『ニャオ ニャオ 』鳴いていたんだけど何をして欲しかったんだろうなぁ~ ?」


「ニャァ~オ ニャァ~オ ニャァ~オ ニャァ~オ( そんな事は、どうでも良いから抱っこしてよ !)」


「 甘えん坊だなぁ~ 『 さくら』は。」


抱きあげてくれたお兄ちゃんの顔を毛繕けづくろいしてあげる。


ジョ~リ ジョ~リ ジョ~リ


お兄ちゃん、大好きだよ !

ずっと ずっと 一緒にいようね。






※ 『とある少女の夢』な続編の物語です。


『 胡蝶の夢』を私なりに解釈した物語なので、よろしくお願いいたします。

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