第2話 101 回目のプロポーズ ?


俺の名は、にゃん太郎。 この地域のボス猫だ !


今日も真面目に縄張りをパトロールしているところだ。


グゥゥゥ


う~ん、腹が減ったなぁ~


この近くだと、おっちゃんのところが近いな。


ウッシーに預けた子猫ココアの事も気になるから行ってみるか !


そうして、俺は おっちゃんの勤めている料理屋に向かった。


おっちゃんの店に向かう途中で、落ち込んでいるようにトボトボと歩く『ガンモ』に会った。

コイツは、居酒屋『あおきや』の飼い猫なんだが 今時珍しく自由に外を歩いている飼い猫なんだよな。

最近の飼い猫は、完全に室内飼いで外を自由には歩けないようにされているんだ。


「 お~い ! えらく元気がないが、またフラれたのか ガンモ ?」


「 にゃん太郎親分 ! 猫聞きの悪い事を言わないでくれよ !

まだ、二十五回しかフラれていないんだから いつもフラれているみたいな風に言わないでくれよ ! 」


「 で ! 今度の相手は誰なんだい ? 」


「 宮村さんの家の『 ミンミン 』だよ 」


「 うわぁぁぁ あのお嬢様に恋をするなんて、相変わらず無謀むぼうな奴だなぁ~ ! 」


「 放っといてくれ ! あ~あ、おいらの運命のつがいは何処にいるのやら、ハァ~ 」


「 運命のつがいねぇ~…………

確か、この間は薬屋の看板猫の『レオナ』にフラれたんだよな~ 」


「 うっ、 嫌な事を覚えているなぁ~ 」


「 その前は、え~と確か クリーニング屋の『クリス』だったかなぁ~ 」


「 親分 ! 猫の癖に記憶力が有りすぎるんじゃないのか ?」


「 ニャハハハハハハハ、 親分なら、これくらい当然のことだよ」



ガンモの奴は、バツが悪くなったのか毛繕けづくろいを始めた。


「 そういう親分こそ、彼女がいるのかよ ! 」


俺に八つ当たり気味に質問してきたので答えてやった。


「 ふっ、知らなかったのか 、 俺の彼女は花屋の『カスミ』ちゃんだよ ! 」


うそだぁーーー!

あの可憐な娘が親分の彼女のハズがない ! 」


失礼な奴だなぁ~………絶叫するガンモに


「 たこ焼き屋の『 マユキ』ちゃんも俺の彼女だぞ ! 」


そう言うと、口をあんぐり開けて呆けているガンモが


「 おいらの方が親分より、ずっ~と美猫なのにどうしてなんだぁーー ! おいらは、後 何回フラれたら彼女が出来るんだよ ?

教えてくれ、にゃん太郎親分 ? 」


「 伊達や酔狂で親分なんて、やってないのさ !

人間のテレビで見たが、モテない人間の男でも100回フラれ続けて101回目で彼女が出来た奴がいるらしいから、まだまだあきらめるのは早いぞ ! 」


そう、ガンモの奴をはげましてやった。


「 そうか ! そんなモテない奴にも彼女が出来たんなら、おいらにも まだまだ希望があると云う事だな。

ありがとう、親分 ! 流石、おいら達のにゃん太郎親分だ ! 」



俺の名は、にゃん太郎。 悩める仲間たちの相談にも答えてやる優しいボス猫だ !


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