こんな二刀流はダメ! 絶対!

 本編後にどうぞ~。本編も千文字程度と短いので、とにかく読むがいいのです!

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~とある進学校の教室にて~

「ふぅん……私というものがありながら、そんなことを言っちゃうのね……」

 イヤホンから流れてくる音声に、私は深い溜息を吐く。
 投打の両方ですごいパフォーマンスを発揮する、二刀流の彼。
 野球での二刀流はとても素晴らしいことなのだけれど、恋愛での二刀流なんて許せるわけもない。

「……ふふふ。いずれライバルが出てくることは予想してた。そのときのために用意していたあれとかこれとかを、早くも使うべき時が来たということね。
 ああ、でも、どうしましょう。想定していた相手と違うから、使い方を変えるとか、別のものを使うとか、工夫しなくちゃいけないわね……」

 思わず笑みがこぼれてしまう。
 普段は温厚な淑女を演じているけれど、本当は心の中に猛獣を飼っている。
 彼の大好きな清純さ。
 彼のためならどんなこともする苛烈さ。
 私の二刀流で、今後も決して彼を離しはしない。

「くすくすくす。待っててね、ダーリン。あなたは永久に私のもの。他の誰にも奪わせない……」

 私以外誰もいない教室に、自分で聞いてもぞっとするような笑い声が響く。


 ……この季節、どこかの教室で起きたかもしれない青春の1ページ。

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 レビューであり後日談。二刀流レビューでした~。

(……こんなレビューありですか?)