謎解きも「なるほど」と思わせてくれる楽しさがあるのですが、物語の甘さとほろ苦さも、とても魅力的だと思いました。
私は登場人物の心情が徐々に変化していくような物語が好きなのですが、「花のおめでとう」を読み終えた時点で、胸にこうグッときました。番外編である「慧眼」も素晴らしくて、まだ読まれてない方は、是非とも「慧眼」を読んでから読み進めて欲しいとさえ思います。
心情の描写って、凄く難しいと思うんです。私はまだまだ勉強中で、こちらの作品を読んだ時、思わず「凄い」と口に出してしまいました。主人公の悩みや、思いを、丁寧に掬い上げて綺麗に表現されているんです。日常の風景でさえ、透き通るような文章で書かれているので、ㇲッと心に染みていきます。
青春ならではの、甘さとほろ苦さがギュッと詰まっていて、柿原君達の物語がどのようになっていくのか、とても楽しみです。